勝手口のドアノブ交換 自分でできる?費用は?知っておきたいポイント

「勝手口のドアノブを交換したいけど、自分でできるの?」
「種類がいっぱいあって、どのドアノブを選べば良いのかわからない」
このようにお悩みではありませんか?
勝手口に取り付けられるドアノブは種類が豊富で、取り付け難易度も低めなのでDIYでの交換は可能です。
ただし、自宅のドアに適合するドアノブを選ばないとせっかく購入しても取り付けられないので注意が必要になります。
そこで、この記事では勝手口のドアノブ交換手順やドアノブの選び方、交換の費用相場などについて詳しく解説します。
目次
勝手口のドアノブの寿命と交換時期
ドアノブの種類や使用環境、使用頻度によっても変わりますが、ドアノブの寿命は一般的に10〜15年程度といわれています。
しかし、ドアノブがガタついたり、鍵が回りづらいなどの問題が発生した場合は、放置すると症状が悪化してドアが開かなくなることもあるため、早めに対処することが重要です。
勝手口のドアノブをDIYで交換する方法
勝手口に取り付けられているドアノブは構造がシンプルなものが多く、やり方さえわかればDIY初心者でも自力で交換可能です。
ここでは、多くの勝手口に採用されている「インテグラル錠」の交換方法について解説します。
「インテグラル錠ってなに?」という人は、記事内の「錠前の種類」をご確認ください。
ドアノブの外し方(インテグラル錠)
まずは室内側のドアノブを取り外します。
- 必要な工具
-
- プラスドライバー
- グリップ付きの作業用手袋(あれば)
- ウォーターポンププライヤー(ドアノブを素手で回せない場合)
1.内ノブと丸座を外す
インテグラル錠はドアノブ自体がネジになっており、ドアにねじ込まれているため、内ノブ(室内側のドアノブ)を反時計回りに回すことで取り外せます。
ただし、部品が錆びて固着していると力を込めても外せない場合があるため、グリップ付きの手袋などがあると力を込めやすいでしょう。
それでも回せない場合は、ウォーターポンププライヤーを使ってドアノブを回します。
ウォーターポンププライヤーは開口範囲の広いペンチのような工具で、パイプのように太くて丸いものもしっかりつかむことができます。
ホームセンターやネットショップなどで2,000円程度で手に入りますが、製品によってくわえられる径の幅が異なるので、事前によく確認してから購入しましょう。
プライヤーで直接ドアノブをつかむと金属部に傷が付いてしまうため、雑巾のような布を噛ませて作業をすることをおすすめします。
2.丸座裏金と外ノブを外す
ドアノブを回して丸座を外すと、下に丸座裏金が見えます。
2か所のビスを外すと、丸座裏金と外ノブ(室外側のドアノブ)が外れます。
3.錠ケースを外す
ドアの側面についている錠ケースのビス2か所を外し、錠ケースをドアから引き抜きます。
これで古いドアノブの取り外しは完了です。
新しいドアノブの取り付け方
次に、取り外した時と反対の手順で新しいドアノブを取り付けます。
1.新しい錠ケースを取り付ける
ドアの側面から、新しい錠ケースを差し込み、ビスを2箇所留めます。
このとき、ラッチボルトの向きに注意しましょう。
ラッチボルトとは、錠ケースから飛び出している三角形の突起です。
このラッチボルトの斜面側が、「ドアの閉まる方向」を向くように取り付けましょう。
反対向きに取り付けてしまうとドアが閉まる際にラッチボルトが引っ込まず、ドアを閉められません。
2.外ノブを取り付ける
外ノブを差し込み、室内側から丸座裏金をネジで留めます。
3.内ノブを取り付ける
丸座裏金に内ノブを時計回りに回して取り付けます。
鍵を開けている状態でサムターン(室内側の鍵のつまみ)が縦になるように、ドアノブの向きに注意して取り付けましょう。
4.動作確認
ドアがスムーズに開閉できるか、サムターンを回して鍵の開け閉めはできるかなど、動作確認をして取り付け作業は完了です。
勝手口のドアノブをレバーハンドルへ交換する場合の注意点

もともとついているドアノブが握り玉タイプなどで、使いやすいレバーハンドルに交換したいという人もいるかと思います。
しかし、現在ついている錠前の種類が異なると取り付けができない可能性があるため、注意が必要です。
多くのレバーハンドル錠は「チューブラ錠」を採用しており、元々のドアノブが円筒錠やインテグラル錠などの場合は、専用の部品が必要です。
その場合、加工代や取付代、部品代などが高額になる可能性があるため、事前によく確認しておきましょう。
また、握り玉の円筒錠を専用取替部品でレバーハンドルにすることはできても、表示錠や空錠といった、室内でしか使用できないタイプのレバーハンドル錠となってしまう可能性があります。
勝手口のドアノブの種類と選び方
ここからは、勝手口のドアノブの種類や、新しいドアノブの選び方について解説します。
ドアノブを交換する場合、「ドアノブの形状」「錠前の種類」「シリンダーの種類」という3つの分類について知っておく必要があります。
ドアノブの形状
まずはドアノブの形状です。勝手口でよく使われるドアノブの形状には以下のようなものがあります。
玉座

玉座は、握り玉とも呼ばれ、球状のノブを握って回すタイプのドアノブです。
レバーハンドル

レバーハンドルは、ドアノブがレバーになっており、レバーを下げてドアを開けるタイプです。
握り玉のように握って回すという動作が不要なので、軽い力で開け閉めが可能。
そのため、力の弱いお年寄りや子どもにも簡単に操作できます。
プッシュブル

プッシュプル錠は、ドアについているバーを押し込んだり引っ張ったりすることでドアをあけるタイプのドアノブです。
こちらもレバーハンドル同様、軽い力で操作が可能で、多くが玄関ドアとして採用されています。
錠前の種類
次に、錠前の種類を紹介します。
錠前とは、ドアに取り付けられている鍵機構全体のことを指し、鍵穴やサムターン、錠ケースなどのすべてを含みます。
勝手口のドアに使われている錠前には以下のような種類があります。
インテグラル錠

インテグラル錠は鍵とドアノブが一体になっているタイプの錠前で、勝手口のドアノブに広く採用されています。
ラッチボルトのほかに、デッドボルトといわれる閂(かんぬき)がついており、施錠することでデッドボルトが飛び出してドアを施錠します。
ドアノブ自体がネジになっていて扉の金具にねじ込まれており、ピン穴やネジがないため、交換の際に取り外し方がわからないという人も多いようです。
丸座ごと回すことで取り外せますが、錆ついて部品が固着していると、プライヤーなどの工具が必要になります。
円筒錠

円筒錠は、握り玉タイプのドアノブにシリンダー錠が組み込まれた「ドアノブ一体型」の錠前で、室内側からボタンを押して施解錠します。
デッドボルトはついておらず、ラッチボルトを固定することで施錠する仕組みです。
そのため防犯性は低く、勝手口の錠前としては不向きですが、古めの戸建ての勝手口だと円筒錠が使われていることがあります。
チューブラ錠

チューブラ錠は、鍵の機構がチューブ状のケースに内蔵されている錠前で、ドアノブには握り玉のほかにもレバーハンドルなどが使われます。
インテグラル錠、円筒錠と同じくドアノブ一体型で、丸座部分にドアノブを外すためのネジがあります。
レバーハンドル錠はほとんどがチューブラ錠を採用しているため、円筒錠やインテグラル錠の握り玉からレバーハンドルに変更したいときは、専用部品や加工が必要になる場合があります。
ケースロック(箱錠)

ケースロック(箱錠)は、錠ケースが箱型でドアノブとシリンダーが別になっている錠前です。
室内側のドア面に錠ケースを取り付ける「面付け型」と、ドアの内部に錠ケースを埋め込んでいる「彫り込み型」があり、錠ケースの中にはデッドボルトやラッチボルトなどの機構が収められています。
ケースロックは破壊に対する強度や耐久性が高く、防犯性に優れているため、玄関錠としても使われます。
シリンダーの種類
シリンダーとは、子鍵を差し込む鍵穴の奥にある筒状の本体機構のことで、種類によって差し込む子鍵の形状や防犯性能が異なります。
シリンダーには主に以下のような種類があります。
ピンシリンダー

ピンシリンダーは、片方だけにギザギザがついている鍵です。
シンプルな構造のシリンダーで、安価ですがピッキングに弱いという特徴があり、防犯性は低めです。
最近のモデルではアンチピッキングという対策が講じられており、ピッキングに強いタイプもあります。
ディスクシリンダー

ディスクシリンダーは、両方にギザギザがついている鍵です。
安価で合鍵の作成も容易ですが、ピッキングに弱く、被害が多発したため現在は廃番となっています。
しかし、古めの住宅にはいまでもディスクシリンダーがついていることがあります。
ロータリーディスクシリンダー

ロータリーディスクシリンダーは両方にギザギザがついている鍵で、ディスクシリンダー錠の後続モデルです。
複雑な構造により高いピッキング耐性を持ちますが、その割に価格は安めで、防犯性能とのコストバランスが良い錠前です。
ディンプルシリンダー

ディンプルキーは、表面に様々な大きさの凹み(ディンプル)がある鍵で、そのシリンダーは非常に複雑な構造になっています。
ピンシリンダーは一般的に6〜7本のピンを1列に配列するのに対し、ディンプルシリンダーは16から多いもので26本のピンを上下左右斜めと様々な方向に3列以上配列します。
そのため、ピッキングでの解錠は非常に困難であり、合鍵作成にも高度な技術と専用のキーマシンが必要になります。
これにより、第三者が本人の許可なしに鍵番号から複製したり、盗んだ子鍵から型取りをして複製するといった不正な合鍵作成のリスクも低くなりますが、価格は一般的な鍵よりも高くなります。
新しいドアノブの選び方

ドアノブの種類はたくさんあるだけに、どのように選べば良いか迷う人も多いかと思います。
どれを選んでも良いというわけではなく、自宅の勝手口に適合するドアノブを選ばないと、せっかく購入しても取り付けができず、部品代が無駄になってしまうので注意が必要です。
ここからは、新しいドアノブを購入する際の選び方について解説していきます。
同じ種類の同じメーカーがおすすめ
新しいドアノブを選ぶ際は、現在ついているものと同じメーカー、同じ型番から選ぶと失敗しにくいのでおすすめです。
ドアノブのメーカー名や型番は、フロントプレートや子鍵に刻印されています。
例)
メーカー名:美和ロック-MIWA
型番:数字やアルファベットの番号(1234A4568B など)
主要な鍵メーカーとしては、下記のようなものがあります。
- MIWA(美和ロック)
- GOAL(ゴール)
- ALPHA(アルファ)
- U-SHIN SHOWA(ユーシンショーワ)
- WEST(ウエスト)
- AGENT(エージェント)など
正しく寸法を測る
同じ種類のドアノブに交換したくても、現在使用しているものがすでに廃番になっている場合があります。
元々使用していたドアノブとは異なる種類のものに交換する場合は、ドアと部品のサイズや設置穴が適合するかどうかを確認するために、各箇所のサイズを正確に測定しなくてはなりません。
寸法が合わないと取り付けができないため、以下の5箇所を慎重に測りましょう。
- ドアの厚み
- フロントプレートの高さと幅
- ビスピッチ(フロントプレートを留めている2か所のネジ間の距離)
- バックセット(フロントプレートから握り玉の中心までの距離)
- 丸座の直径
勝手口のドアノブのシリンダーのみを交換できる?
ドアノブは替えずに、シリンダーのみを防犯性能の高い種類に交換したい、という人もいるかと思います。
しかし、ドアノブの種類によっては、ノブの中にシリンダーが入っているものもありますが、基本的に交換できません。
勝手口にケースロックが掘り込まれている場合はシリンダーのみの交換が可能ですが、チューブラ錠はシリンダーを持たず、円筒錠、インテグラル錠はドアノブとシリンダー鍵が一体化しているため、シリンダーのみの交換は行えません。
そのため、これらのタイプはドアノブを丸ごと交換する必要があります。
勝手口の防犯性を高める補助錠

補助錠は、メインの鍵のほかに、後付けで取り付けることができるサブの鍵です。
勝手口に補助錠を取り付けることで、一つの扉に2つの鍵を設置する「ワンドアツーロック」を実現し、防犯性を高められます。
補助錠は穴あけなどの工事不要で簡単に後付けできるタイプが多く、賃貸住宅の玄関などにも取り付けられるので、簡単に防犯性を高められる方法としておすすめです。
室外側に設置するタイプの補助錠は、見た目から鍵が増設されているのが分かるため、ピッキングやこじ開けに時間がかかると判断され、空き巣が侵入を諦める効果が期待できます。
一方、室内側に設置するタイプの補助錠は外部からは見えないため、メインの鍵がピッキングされても補助錠の存在に気づくまで時間がかかり、侵入までの時間を遅らせることができます。
また、室内側に閂があることからバールなどによるこじ開けのターゲットにされることがなく、もし主錠が破壊されたとしても補助錠は残る可能性が高いため、窃盗犯を諦めさせる効果が見込まれます。
補助錠の中でも電子錠は子鍵が要らない錠前で、元々あるシリンダーを抜いて取り付ける掘り込みタイプや、室内側の扉の表面に取り付ける面付錠タイプがあります。

電子錠の中でも株式会社「イージスゲート」から販売されているイージスゲートは、付属のカードキーやICカード、テンキー操作による暗証番号式など、様々な解錠方法があります。
補助錠は防犯対策のほかにも、室内側の高い位置に設置することで、子供やペットが誤ってドアを開けて外に出てしまうのを防止したり、認知症の高齢者などの徘徊防止にも役立ちます。
勝手口にもともと設置されている鍵は簡易的で防犯性能が低いものが多いため、防犯性能を高める目的であれば、補助錠の設置を検討してみるのも良いでしょう。
勝手口のドアノブ交換をプロに依頼する場合の料金相場

勝手口のドアノブの修理や交換を、プロの鍵業者に依頼する場合の料金相場は下記のとおりです。
ドアノブ修理 | ドアノブ交換 |
---|---|
8,800円~ | 11,000円~+部品代 |
ただし、ドアノブの種類や現状のドアの状況によって費用は異なります。
詳しくは、鍵業者に見積もりを取って確認しましょう。
ドアノブ交換をプロに依頼するメリット
ドアノブの交換はDIYでも可能ですが、プロに依頼することで以下のようなメリットがあります。
- 技術や知識が豊富なスタッフに対応してもらえる
- 作業後に不具合が合った場合でも、保証やアフターサポートを提供している
- 必要な工具や部品を自分で用意する必要がない
- 現在のドアに適合する最適なドアノブを提案してもらえる
勝手口のドアノブ取り付けはプロの鍵屋に任せると安心
勝手口のドアノブにはさまざまなバリエーションが存在します。
そのため、適切なドアノブの選定に迷う人も多く、製品選びを間違えてたり、取り付けに失敗してしまう人も少なくありません。
各所の寸法が合っていればDIYでの交換も可能ですが、防犯性能の向上を目的とした交換であれば、専門知識と技術を持ったプロの鍵屋に相談することをおすすめします。
鍵屋のキーレスキューサービスは、数々のテレビ番組でも紹介されている鍵の専門業者です。
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勝手口のドアノブ交換に関するご相談は、ぜひ鍵屋のキーレスキューサービスにお任せください。