クレセント錠の交換は自分でできる?注意点や費用相場を解説!
この記事でわかること
- クレセント錠の交換が必要なとき
- クレセント錠の交換手順
- クレセント錠の交換費用相場

記事監修者
名前:金城 甫(きんじょう はじめ)役職:マネージャー
これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。
クレセント錠は、多くのご家庭(マンションや戸建て)や会社、学校などの窓で使用されており、私たちにとってもっとも馴染みのある鍵です。
しかし、劣化した鍵は防犯性や窓の密閉性を低下させてしまいます。古くなった窓の鍵を交換したい方や鍵付きのクレセント錠に交換したいと考えている方も多いでのはないでしょうか?
クレセント錠の交換は、プラスドライバーが1本あれば自分でも行うことができ、ドリルなどの特殊な工具は基本的には使用しません。
そこで本記事では、クレセント錠の交換方法や注意点などについて詳しく紹介していきます。
目次
窓やサッシによく使われている鍵の種類や特徴
クレセント錠

クレセント錠は、他の鍵とは違った独特の形をしており、手で回転させる部分が三日月のようであることから「クレセント」(Crescent =三日月)と名付けられました。クレセント錠はグレモン錠の一種で、ハンドル部分を回すだけで施錠となるタイプの鍵です。
クレセント錠の主な用途は、サッシ窓の防犯対策と機密性の向上で、ほぼ全ての窓に取り付けられているくらい有名な鍵です。
しかし、元々は窓の気密性を高めるため開発された鍵ですので、防犯性はあまり高くはありません。子鍵を用いないため使い勝手は良いのですが、窓ガラスの一箇所を割れば簡単に手が届き、開錠されてしまうので、別途に防犯対策を検討する必要があります。
グレモン錠

ハンドルとロックが一体になっているため、ハンドル操作と一緒にロック機能も動きます。鍵を挿す必要がないため、防犯性能は低いです。鍵付きの製品もありますが、こちらはもちろん鍵の抜き差しが必要です。
グレモン錠は、密閉性や防音性、堅牢性が求められる防音室、工場、倉庫、キュービクル(高圧受電設備)などの大型扉や窓でよく使われます。そのため、一般家庭の窓に取り付けられていることはほとんどありません。
クレセント錠を自分で交換する前に確認しておくこと
ここからは、クレセント錠の交換する前に抑えておくべき注意点を紹介します。
冒頭でも説明しましたが、クレセント錠の交換は自分で行うことも十分可能です。使う道具はプラスドライバーのみですし、部品はホームセンターで購入することができます。
サッシタイプを確認する
クレセント錠は、取り付けるサッシの種類に合っていないと、正しく取り付けられなかったり、窓がしっかり閉まらなくなったりします。代表的なサッシタイプには以下のようなものがあります。
- アルミサッシ
- 樹脂サッシ
- 木製サッシ
それぞれ、厚みや取付面の形状が異なるため、適合するクレセント錠も変わってきます。住宅の場合はほとんどがアルミサッシですが、製品説明にある「対応サッシの種類」を一応確認しましょう。
寸法を計測する
クレセント錠を、鍵付きやダイヤル付きのものなど、新たに取り付ける場合はどの製品を選べば良いのでしょうか。また、もともと付いていたクレセント錠と同じものをつけようとしたとき、廃番になっていることもあります。
クレセント錠を取り付ける際は、窓の寸法を計測する必要があります。新しく鍵を取り付ける際に調べるポイントは以下の通りです。
- ビスピッチ
- クレセント錠の高さ
- 引き寄せ寸法
ビスピッチ

ビスピッチとは、ネジ穴の中心から中心までの長さのことを指します。クレセント錠は、2つのビス(ネジ)で固定されており、窓枠に空いた2つのビス穴の中心までの距離がビスピッチになります。
クレセント錠にビスが見当たらない場合は、カバーが付いていてネジが隠れていることもあるので、カバーを取り外しましょう
クレセント錠の高さ

クレセント錠の高さは窓枠に取り付けたときに、窓枠から鍵のフックまでの距離を指します。台座を下にしておいて、一番高いところまでの長さを測りましょう。この高さがあっていない場合、鍵を回してもフックが錠受け引っかかりません。
引き寄せ寸法

引き寄せ寸法は、クレセント錠を固定しているビスの中心から半円状の留め具のもっとも距離が長い場所までの長さを指します。
鍵を回した時に半円状の留め具がどこまで届くかということですが、長すぎても短すぎてもフックは正常に引っかかりません。
必要な工具の準備する

プラスドライバーがあれば、交換は可能です。他には、寸法を測るためのメジャーが必要です。
賃貸物件の場合は管理会社や大家へ連絡する
クレセント錠は窓の付属部品であり、原則として賃貸住宅では「設備扱い」とされます。勝手に交換するとトラブルの原因になります。
- 必ず事前に管理会社か大家へ相談
- 不具合であれば管理側で無償修理される可能性あり
- DIYで交換した場合、退去時に原状回復費を請求されることも
クレセント錠を自分で交換する手順
別の種類や新規で鍵を取り付ける際は窓の寸法を測る必要があるので、DIYに慣れていない方や、部品選びに自信がない方は、鍵屋に依頼することをおすすめします。
以下で、クレセント錠の交換に必要な寸法や交換方法について説明しますので、まずは自分で交換できるかを判断してから鍵屋へ依頼するかを検討してみましょう。
既存のクレセント錠を取り外す
1.上側のビスを外す

クレセント錠を窓枠に固定している2つのビスのうち「上のビス」を外します。この際、絶対に2つあるビスの両方を外してはいけません。一つは残し、片方ずつ外していきます。
※古いタイプのクレセント錠は、裏板という部品で窓枠に固定されていることが多いです。上下のビスを両方とも外してしまうと、クレセント錠の裏にある板が窓枠の中に落下してしまい、クレセント錠の取り付けができなくなってしまいます。そのため、必ず片方のビスで裏板を固定しておく必要があるのです。
2.上側のビスを仮止めする

①で外したビスを再度上側の穴に入れて仮止めします。クレセント錠を間に挟んで固定する必要はありません。
これでクレセント錠の裏にある板を固定できます。
3.下のビスを完全に緩めてクレセント錠を外す

下のビスを完全に緩めるとクレセント錠が外れます。窓枠には上のビスだけが刺さっている状態です。
新しいクレセント錠を取り付ける
1.新しいクレセント錠の下のビスを仮止めする

上下を間違えないように注意しましょう。
2.上のビスを外し、新しいクレセント錠の上のビスを仮止めをする

3.クレセント錠の鍵をかける

4.ビスを本締めする

動作確認をする
クレセント錠を開け閉めして、動作に違和感がないか確認しましょう。必要であればネジを調整してください。
自分でクレセント錠を交換するときのよくある失敗例
DIYでの交換作業は思わぬトラブルが発生することもあります。以下のような失敗例には要注意です。
ネジを2本同時に外して裏板を落とす
多くのクレセント錠には、内側で固定を補助する「裏板」があります。この裏板は小さく、サッシの中に隠れているため、一度落とすと取り出しが非常に困難です。ネジを2本同時に外してしまうと、この裏板がサッシの隙間に落ち込み、最悪の場合は窓枠ごと分解しないと取り出せないこともあります。
→【対策】ネジは1本ずつ外す。裏板が外れないように、マスキングテープで仮止めしておくと安心です。
ネジを強く締めすぎて破損させる
クレセント錠やサッシの素材がプラスチックやアルミの場合、過剰な力でネジを締めると、本体が割れたり、ネジ山が潰れて空回りする恐れがあります。特に電動ドライバーを使うと過剰に締めてしまいがちですので注意が必要です。
→【対策】手動ドライバーを使用し、「止まったらそれ以上回さない」を意識して作業しましょう。
クレセント錠がぐらぐらする
せっかく取り付けたのに、クレセント錠の本体がグラついてしまうのは、ネジの締め付け不足か、裏板との接触不良が原因です。見た目はしっかり取り付けられていても、ハンドルを回すと傾いていたり、斜めになっている場合は要注意です。
→【対策】ネジは対角線上に交互に締めるようにし、均等に力を加えること。裏板の位置がズレていないかも確認しましょう。
寸法違いの部品を購入してしまう
ネット通販などで安価なクレセント錠を購入したものの、届いたらネジ穴の位置が違っていて取り付けられなかった――という失敗も多く見られます。
→【対策】取り外した既存のクレセント錠を持参してホームセンターで確認する、またはメーカーの型番から互換品を調べると確実です。
右勝手・左勝手を間違える
クレセント錠には「右勝手」と「左勝手」が存在します。窓の構造に合っていないタイプを購入すると、ハンドルの向きが逆になり、取り付けはできても開閉動作ができないということになりかねません。
→【対策】窓の内側から見て、ハンドルが右側についていれば「右勝手」、左側なら「左勝手」です。商品説明をよく確認しましょう。
ガラスやサッシを傷つける
ドライバーが滑ってしまい、ガラスやサッシにキズをつけてしまうこともあります。特に狭い場所で作業する場合は、意図せず工具が当たってしまうリスクが高まります。
→【対策】作業前に周囲を養生テープやタオルで保護する、滑り止め付き手袋を使用するなど、安全対策を万全にしておきましょう。
クレセント錠の交換費用の相場と節約方法
ここまで、鍵の交換方法について紹介しました。
クレセント錠を交換するにあたり、必要な費用や鍵屋に依頼した場合の相場も気になるのではないでしょうか?ここからは、クレセント錠の鍵交換で必要な費用の目安を紹介します。
クレセント錠交換費用の相場
交換にかかる費用は、どこまで自分で行うか、どの製品を選ぶかで大きく変わります。
自分で交換したときの費用相場
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| クレセント錠本体 | 800円~3,000円程度 |
| 工具(持っていない場合) | 500円~2,000円程度 |
| 合計 | 約1,000円~5,000円 |
業者に依頼したときの費用相場
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 作業費(1箇所) | 5,000円~10,000円程度 |
| 部品代 | 1,000円~3,000円程度 |
| 出張費 | 業者による |
| 合計 | 約6,000円~13,000円前後 |
クレセント錠の交換を鍵屋などの専門業者に依頼する場合は、約6,000円〜13,000円となります。しかし、業者によって費用や項目は異なるため、こちらの費用はあくまでも目安ということをご理解ください。
例えば、業者によっては見積り料金・出張料金・休日料金が発生するため、上記の価格も変動する可能性があります。
そのため、業者に依頼する場合は必ず見積もりを取るようにしましょう。鍵屋によっては、出張見積もりを無料で行っているところもあります。
クレセント錠交換費用を節約する方法
ホームセンターなどで鍵を購入して自分で交換する場合、メーカーやクレセント錠の種類にもよりますが、約800円〜5,000円の費用で行うことができます。
費用面でいえばDIYで済ますのがもっとも節約できますが、鍵屋に依頼したい場合は、複数の鍵屋で相見積もりを取り、費用を比較することでコストを抑えることができるでしょう。鍵屋によっては見積もりを無料で行っているところもあるのでおすすめです。
防犯性の高いクレセント錠の種類と特徴
クレセント錠は古いものは特に防犯性が低いことで知られていますが、最近では防犯性を高めたものが販売されています。ここでは、防犯性を向上させたクレセント錠を紹介します。
ボタン付きクレセント錠
ボタン錠付きクレセントは、ロックボタンが付いているシンプルな構造のクレセント錠で、防犯性能が向上しています。ハンドルを回転させるためにはロックボタンを押す必要がありますが、押さなければハンドルは動きません。
たとえガラスを割って手を差し込んでも、ロックボタンを押しながらハンドルを回転させることは難しいため、ガラス破りによる侵入を阻止する可能性が高くなります。主にYKK AP社から販売されています。
キー付きクレセント錠
キー付きクレセントは、名前の通り鍵穴があるタイプのクレセント錠で、ハンドルを回した後に鍵をかけて固定します。
鍵を開けない限りハンドルを回すことができず、窓を開けられる心配はありません。位置的に窓の外から鍵をピッキングすることも困難で、安全性が高い錠です。
しかし、窓を開け閉めするには子鍵を取り出してくる必要があり、子鍵をなくすと窓を開けられなくなるという管理上の手間があります。
ダイヤル式クレセント錠

ダイヤル錠付きクレセントは、ダイヤルを回して暗証番号通りに合わせないとハンドルを回せず、窓を開けることができないタイプのクレセント錠です。
窓を割って手を入れてもダイヤル部分に手が届かず、番号を合わせることができないため、外から窓を開けることは非常に難しくなります。子鍵を持ち歩く必要がないため、子鍵をなくす心配もなく、管理が簡単な反面、番号を記憶するか、安全な場所に保管する必要があります。
クレセント錠の交換を鍵屋に依頼するメリット
クレセント錠の交換自体はDIYでもできますが、正しく設置できなかった場合、鍵として機能しなくなる可能性もあります。
しかし、専門知識と技術を持ったプロの業者に任せれば安心です。鍵について詳しくなくても、クレセント錠の種類や使用用途に応じて、最適な鍵をお客様に提案することもできますし、設置後のアフターサポートも受けることができます。
特にサッシ自体にゆがみがある時やクレセント錠が錆びついている時は、作業に慣れていない素人が交換するのは困難です。専門的な知識や技術が必要になるため、ぜひ鍵屋にお任せください。
キーレスキューサービスでは、YKKやトステム、不二サッシなど幅広いクレセント錠メーカーからの交換に対応しております。
窓の鍵交換にお困りの際は、お気軽にお電話ください。












