鍵穴にシリコンスプレーを使ったら故障する?使ってしまったときの対処法をご紹介!

この記事でわかること
- シリコンスプレーを鍵穴に使ってはいけない理由
- 鍵穴にシリコンスプレーを使ってしまったときの対処法
- 鍵屋に対処を依頼するメリットと費用相場

記事監修者
名前:金城 甫(きんじょう はじめ)役職:マネージャー
これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。
「鍵が抜きにくい」「鍵が回りにくい」などの不具合を感じたときに、動きを良くしようと鍵穴にシリコンスプレーを使っていませんか?
シリコンスプレーは便利な潤滑剤ですが、鍵穴への使用はトラブルを招く可能性が高いです。
本記事では、鍵穴にシリコンスプレーを使ってはいけない理由や使ってしまった場合の対処法について解説します。
自力での対処が難しい場合は専門業者に相談することをおすすめします。専門業者に依頼するメリットや費用相場についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそもシリコンスプレーって何?
シリコンスプレーは、潤滑やツヤ出し、防水効果を発揮する便利なスプレータイプの化学製品です。主成分であるシリコンオイルは、金属やプラスチック、ゴムなど、さまざまな素材に使用できます。
スプレーするだけで表面に薄いシリコン被膜を形成し、摩擦を軽減したり、水や汚れを弾いたりする効果があります。
一般的には自転車や自動車、さらには家庭内の引き戸や家具の滑りを良くする用途でも使用されます。
さらに、金属部分の錆び防止やマウスの動きの改善にも役立つため、定期的なメンテナンスに適しています。
どうしてシリコンスプレーを鍵穴に使うと故障するの?

シリコンスプレーを鍵穴に使ってはいけない理由は、シリコンスプレーが持つ特性にあります。
シリコンスプレーは潤滑性が高い一方で、鍵穴内部に油分の膜を作ります。この膜が鍵穴内部の埃やゴミを付着させ、次第に塊となって蓄積していきます。
蓄積されたゴミの塊がさらなる不具合を引き起こし、鍵の不具合を解消するために使ったシリコンスプレーが結果的に状況をさらに悪化させてしまうことになります。
鍵の動きが悪いからといって、鍵穴に適していないスプレーなどを使うのはやめましょう。
シリコンスプレーを鍵穴に使ってしまったときの対処法
この記事を読まれている方の中には、シリコンスプレーを鍵穴に使ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、シリコンスプレーを鍵穴に使ってしまったときの対処法を4つ紹介します。
鍵穴専用の潤滑剤を使用する

シリコンスプレーを入れてからあまり時間が経過していない場合は、鍵穴専用の潤滑剤で鍵穴内部を洗浄することができるかもしれません。
鍵穴専用の潤滑剤はシリコンスプレーとは異なり、速乾性が高いので鍵穴内部の埃やゴミを引き寄せにくくなっています。
鍵穴専用の潤滑剤を使用する手順は以下の通りです。
1.鍵穴専用の潤滑剤を少し多めに鍵穴に注入します。

2.鍵穴から漏れてくる潤滑剤はタオルなどで拭き取ります。

3.鍵に潤滑剤を吹き付け、鍵穴に挿しこみ、何度か抜き差しを繰り返します。

4.鍵がスムーズに回るようになれば完了です。
パーツクリーナーを使う

パーツクリーナーには金属に付着した油汚れを落とす効果があるため、これを使って洗浄してみましょう。
やり方は「シリンダーをドアから取り外して洗浄する方法」と「シリンダーをドアから取り外さずに洗浄する方法」の2種類あります。
まずはシリンダーをドアから取り外して洗浄する方法について、掘込錠(ケースロック)と面付箱錠に分けて解説します。
掘込錠(ケースロック)はドア側面に錠ケースが掘り込まれており、おそらく玄関や勝手口で最も使われている錠前です。
具体的な手順は以下の通りです。
1.ドア側面にある金属のプレート(フロントプレート)を固定しているねじを2本外し、フロントプレートを取り外します。

2.シリンダー側の2本のピンを抜いて、シリンダーを取り外します。ピンを抜くときはシリンダーが落ちないように注意しましょう。

3.取り外したシリンダーにパーツクリーナーを注入します。

4.鍵を何度か抜き差しし、汚れがつくかどうか確認しましょう。汚れがつかなくなれば、シリンダー内の汚れが落ちたことになります。

5.シリンダーが完全に乾いたら逆の手順で元に戻し、鍵穴専用の潤滑剤を吹き付けます。そして、鍵の抜き差しを何度か行い、動きがスムーズになれば完了です。

次に面付箱錠(室内側のドアに箱型の錠ケースが取り付けられたタイプ)のシリンダーをドアから取り外して洗浄する手順を紹介します。
1.錠ケースを固定しているねじを外し、錠ケースを取り外します。ねじを外したときに錠ケースが落ちないように注意しましょう。

2.シリンダーを固定しているねじを外し、シリンダーを取り外します。

3.ここからは掘込錠と同じ手順で、パーツクリーナーを注入してシリンダー内の汚れを落とし、シリンダーを元に戻して鍵穴専用の潤滑剤を馴染ませて完了です。
一方、シリンダーをドアから取り外さずに洗浄する際は、パーツクリーナーの量に注意してください。
たくさん注入し過ぎると、パーツクリーナーが錠ケースにまで流れて、錠ケースに元々塗布されている潤滑剤を溶かしてしまう可能性があります。
また、この方法はシリンダーの乾燥が遅くなる可能性が高いため、かなり長い時間放置しておく必要がある点を留意しておきましょう。
鍵を分解して洗浄する
自分で鍵を分解して洗浄しようと考えるかもしれませんが、これは避けた方が良いでしょう。
鍵の内部は非常に細かい部品が多数組み込まれた複雑な構造をしており、素人が分解して正確に組み立て直すのは至難の業です。
また、分解の過程で内部の部品を一つでも紛失してしまうと、鍵屋でも組み立て直すのが困難になります。内部の部品のみの販売はしていないため、基本的に鍵を交換することになります。
内部の部品を不用意に取り外すと元に戻せなくなり、新しい鍵に交換しなければいけないこともあるため、注意が必要です。
鍵交換を行う

そもそも鍵穴にシリコンスプレーを使うということは、「鍵が回りにくい」「鍵が抜き差ししにくい」など、何かしらの不具合を感じていたと思われます。
鍵の平均寿命は約10年と言われており、10年を超えるとそれらの不具合が起こりやすくなります。
長期間使用している鍵は、一時的に修理で症状が解消しても再び不具合が起きる可能性が高く、修理では完全に復旧できないケースが多いです。
であれば、最初から新しい鍵に交換した方が結果的に費用を抑えられます。
鍵交換は業者に依頼すれば行ってくれますし、自力でも交換が可能です。自力の方が費用を抑えられますし、業者に自宅まで来てもらう手間を省けます。
ただし、デメリットもあります。既存の錠ケースのサイズを測ったり、サイズに合う鍵を用意したりと、意外に必要な準備が多くあります。
また、交換に失敗すると、施錠できなくなったり、きちんと開閉できなくなったりすることがあります。
作業が難しいと感じる場合や自力での作業に煩わしさを感じる場合は、鍵の専門業者に依頼するのが安全です。
業者に依頼することで、適切な鍵選びから設置までを短時間で確実に対応してもらえるため、トラブルを未然に防ぐことができます。
なお、自分で鍵を交換する手順や必要な準備物などについて知りたい方は下記記事をご覧ください。
自分で対処できなかったら業者に依頼するのが無難
ここまで紹介した対処法を試しても解消しなかったり、自力での対処が面倒だなと感じる方は、業者に依頼するのがベストです。
業者に依頼するメリット

業者に鍵の修理または交換を依頼するメリットは、主に以下の2つが挙げられます。
- 確実かつ短時間で解決する
- 防犯面のアドバイスをくれる
業者に依頼すると、経験豊富なプロが問題の原因をすぐに特定し、短時間で解決してくれます。一般的に分解洗浄や鍵交換は20分程度で済むことが多いです。
業者によっては最短10分~20分程度で駆けつけてくれるため、依頼をしてから1時間も経たないうちに解決してくれます。
また、業者は鍵の知識が豊富なため、正しい鍵のメンテナンス方法や自宅の防犯対策などについてのアドバイスをもらうことができます。
鍵交換を検討している場合は、防犯性に優れた鍵やコスパの良い鍵など、様々な鍵に関する知識を与えてくれます。
なお、鍵業者の選び方については以下の記事で解説しています。併せてご覧ください。
業者に依頼したときの費用相場
業者に鍵修理または鍵交換を依頼した場合の費用相場は以下の通りです。
鍵修理 | 8,800円~19,800円 |
鍵交換(刻みキー) | 16,500円~27,500円 |
鍵交換(ディンプルキー) | 27,500円~55,000円 |
費用の内訳は鍵修理が作業代、鍵交換が作業代+部品代です。業者によっては、出張費や見積費が別途かかる場合がありますが、最近では出張費や見積費を無料で提供する業者も増えています。
鍵交換に含まれる部品代は、交換する鍵の種類や防犯性能によって価格が大きく変わります。基本的に防犯性能の高さに合わせて部品代も高くなります。
また、シリンダー(鍵穴)のみを交換する場合とハンドルや錠ケースを含めた一式交換する場合では費用が異なるので、必ず作業に入る前に見積りをとりましょう。
おすすめは複数の業者から見積りをとる「相見積もり」です。稀に高額な費用を請求するぼったくり業者もいるため、被害に遭わないためにも複数の業者から見積りをとって比較することが大切です。
鍵交換費用の相場や費用を抑えるコツについては以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。
専用の潤滑剤がなければ鉛筆の芯で代用可能!

鍵穴専用の潤滑剤が手元にない場合は、鉛筆の芯に含まれる黒鉛を利用すれば応急処置として鍵穴の動きを改善できる場合があります。
特に「B」や「2B」などの濃い鉛筆には黒鉛が多く含まれており、潤滑剤と同じように動きを滑らかにしてくれます。
鉛筆を使う際は、まずタオルや歯ブラシなどで鍵についた汚れを落とし、鍵の溝や切り欠きに鉛筆の芯を塗っていきます。
その後、抜き差しを繰り返し、動きが改善されれば、鍵についた黒鉛を拭き取り完了です。
鍵トラブルはキーレスキューサービスにご相談ください!

「鍵が回りにくい」「鍵が抜きにくい」「鍵穴にシリコンスプレーを使ってしまった」などの鍵トラブルでお困りの場合は、キーレスキューサービスにご相談ください。
弊社は出張費・見積費が無料の鍵屋です。年中無休で営業しており、電話受付は8:00~23:00まで対応しています。
ご依頼を受けてから最短15分で現場に駆けつけ迅速にトラブルを解決します。見積りは必ず作業前にご提示いたしますので、ご安心ください。
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