クレ5-56を玄関の鍵穴に使ってはいけない理由と使ってしまった時の対処法|鍵屋キーレスキューサービス

クレ556を鍵穴に使うのは大丈夫?ダメな理由と使ってしまった時の対処

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クレ556を鍵穴に使うのは大丈夫?ダメな理由と使ってしまった時の対処

更新日:2024/04/09
クレ5-56は鍵穴に使用厳禁!?

この記事でわかること

  • クレ5-56について
  • クレ5-56の商品ラインナップ
  • クレ556を鍵穴に使った時の対処法
  • 玄関の鍵が開けにくいときの対処法
金城 甫(きんじょう はじめ)

記事監修者

名前:金城 甫(きんじょう はじめ)役職:マネージャー

これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。

あらゆる金属の錆をとり、動きをスムーズにしてくれる「クレ5-56」をお持ちの方は多くいらっしゃると思います。自転車の錆とりやロッカーのきしみ音を抑えるなど、さまざまな用途で使用することができます。

しかし、玄関の鍵の動きが固いときに、同じようにクレ5-56を使用してはいけません。

本記事では、クレ5-56を鍵穴に使ってはいけない理由や、使ってしまった場合の適切な対処法、鍵の動きが固いときは何をすればよいのか、などを解説します。

クレ5-56を玄関の鍵穴に使うのは厳禁!

バツサインをする男性

クレ5-56は防錆潤滑剤です。自動車や自転車、インテリア、スポーツ用品など、幅広い製品に使用できますが、なぜ鍵穴にはクレ5-56を使ってはいけないのか。その理由を解説します。

そもそもクレ5-56はどんな商品?

クレ5-56はアメリカのCRCインダストリー社が開発し、日本国内では呉工業株式会社が製造・販売しています。主に防錆、潤滑、などの効果を持ち、電気製品、電動工具、精密機械など幅広く使用可能です。

価格もお手頃で一家に一つ置いておきたい商品ではないでしょうか。

クレ5-56の商品ラインナップ

クレ5-56には使用用途に合わせた豊富な種類を取り揃えています。

5-56

クレ5-56

70ml、80ml、180ml、220ml、320ml、430mlのスプレー缶と、業務用の3.785L、18.925Lなど豊富なサイズがあります。

5-56 無香性

クレ5-56 無香性

性能はそのままで匂いがないタイプです。ゴムやプラスチックにも使用でき、自動車の車内、室内にある機械類など、匂いが気になる場所に最適です。

70ml、220ml、320ml、330mlのスプレー缶の他に、スプレーではカバーしきれない細かい箇所に使える8mlのペンタイプ、3.785L、18.925Lの業務用があります。

スーパー5-56

クレ スーパー5-56

高温部分などの厳しい条件でも潤滑性能を発揮し、錆の発生を長期間防ぎます。70ml、320ml、435mlのスプレー缶があります。

5-56 DX

クレ5-56DX

浸透・拡散力が上がり、あらゆる金属可動部の動きをスムーズにします。70ml、420mlのスプレー缶があります。

クレ556を玄関の鍵穴に使って大丈夫?ダメ?

鍵の寿命は約10年と言われています。長い間使っていると経年劣化などによって、鍵が差し込みにくくなったり、抜きにくくなったりすることがあります。

そうなったときに、クレ556を鍵穴に使って動きを良くしようとする方がいます。たしかに、潤滑剤なので鍵の動きは良くなり、直ったと思われる方は多いでしょう。

しかし、その効果は一時的なものに過ぎず、クレ5-56に含まれる油分が埃やゴミを付着させ、鍵穴内に蓄積されていきます。

クレ5-56は強い浸透力で金属の表面に薄い被膜を形成することで、すぐれた潤滑効果と防錆効果を発揮します。しかし、この被膜が鍵穴内の埃やゴミ、鍵を回したときの摩擦で生じる金属粉を吸着してしまい、鍵穴内に蓄積されていきます

やがて、蓄積された埃やゴミが塊となって詰まり、鍵が回らないなどのトラブルを引き起こします

また、クレ5-56の成分は石油系溶剤であるため、鍵穴にもともと塗布されているグリースを溶かしてしまうおそれがあります。

大手鍵メーカーの美和ロックも、鍵穴にクレ5-56などの鍵穴専用ではない潤滑剤を使用しないように注意喚起しています。

販売元の呉工業も、ディンプルキーのような複雑な構造の鍵には使用しないように明記しています。しかし、ディスクシリンダーのようなシンプルな構造の鍵には使用しても問題ないとしています。

美和ロックが開発したディスクシリンダーは1957年から販売され、公団住居に採用されたことがきっかけで国内で広く普及しました。鍵穴は縦向きで「く」の字になっており、子鍵には非対称のギザギザした山が両端にあるのが特徴です。しかし、構造が単純で、ピッキング被害に遭いやすいことから、2001年に製造中止が発表されました。

今でも古い集合住宅では、ディスクシリンダーが使われている場所が残っているそうですが、防犯性が低い鍵ですので、鍵だけは交換されている可能性が高いです。

ですので、どんな鍵穴であっても、クレ5-56の使用はやめておいた方がよいでしょう。

また、シリンダーだけではなく、ラッチやデッドボルトにもクレ5-56の使用は控えた方がよいでしょう。ラッチやデッドボルトにクレ5-56を吹き付けると、錠ケース内の部品に埃やゴミなどの汚れが固着し、ラッチやデッドボルトが閂の役割を果たせないなどの悪影響が出てしまいます。そうすると、錠ケース内部品だけの販売はないので、錠ケースごと交換しなくてはなりません。

クレ5-56だけではなく、自転車用のスプレーや食用油など、シリンダーに油分を残すものの使用はダメです。鍵の抜き差しがしづらい、鍵を差し込んでも回らない、鍵が奥まで届かない、などのトラブルを引き起こします。

クレ556を玄関の鍵穴に使ってしまった時の対処法

対処法

本記事を読まれている人の中には、「何も知らずに鍵穴にクレ556を使ってしまった…」という方もいるかもしれません。そのような場合、どういう対処をすればよいのか解説します。

鍵穴専用の潤滑剤を入れて洗い流す

美和ロック公式オンラインショップより

クレ5-56を使用してから、あまり時間が経過していない場合は、鍵穴専用の潤滑剤を入れて洗い流す方法があります

鍵穴専用の潤滑剤は揮発性で速乾性が高いので、鍵穴に吹き付けても詰まりの心配はなく、部品への影響はありません。鍵穴専用の潤滑剤はメーカーごとに販売されているので、トラブルが起きた鍵のメーカーの潤滑剤を使うとよいでしょう。

手順は以下の通りです。

  1. 潤滑剤を鍵穴にたっぷり注入します。鍵穴から漏れてくる潤滑剤はタオルなどで拭き取りましょう。
  2. 子鍵も潤滑剤で洗浄して、タオルなどで拭き取ったあと、ゆっくりと鍵穴に抜き差しを繰り返して潤滑剤を馴染ませましょう。抜いた鍵に汚れが付着していれば拭き取ります。
  3. 子鍵がスムーズに抜き差しでき、回して開くようになったら問題ありません。

パーツクリーナーを使ったシリンダーの洗浄

パーツクリーナー

クレ5-56を使用してからすでに時間が経過している場合は、揮発性・速乾性で油汚れの洗浄に効果的なパーツクリーナーを使って洗浄する方法があります。

鍵穴の洗浄はシリンダーをドアから取り外し、内筒を引き出して洗浄するのが最も効果的な方法ですが、このような分解洗浄を素人が行うのはお勧めしません

美和ロックのU9などはディスク系のタンブラーで、分解も組み立ても簡単なように見えますが、一度ばらしたものを正確に組み立て直すのは至難の業です。

特にピンシリンダーやその発展型であるディンプルシリンダーには、ピン形状のタンブラーが複数本収められていますので、部品を紛失したりすると組み立てることもできなくなってしまいます。

ですので、パーツクリーナーで洗浄する場合は、ドアからシリンダーを取り外し、それ以上は分解せずに鍵穴にパーツクリーナーを吹きかけて汚れを落とすほうがよいでしょう

洗浄するときは子鍵を抜き差しして、汚れた液体が表面に付着するかどうかを見ながら洗浄してください。子鍵に汚れがつかなくなれば、鍵穴内の汚れが全て落ちたということになります。

また、ドアからシリンダーを外さずに鍵穴からパーツクリーナーを注入する、という洗浄方法もありますが、その場合はパーツクリーナーの量に注意して下さい。あまりにもたくさんの量を注入すると、シリンダーと錠ケースの隙間から汚れが垂れたり、パーツクリーナーが錠ケースに流れ出て錠ケースに塗布されていたグリースを溶かしてしまう可能性があります

特に、クレ5-56を使用したあと鍵が不具合を起こして閉め出されてしまった場合は、シリンダーを取り外せない状態で洗浄を試みることになりますが、焦ってパーツクリーナーをたくさん吹き付けてしまわないよう、落ち着いて行動しましょう。

どちらの場合でも、シリンダーは乾燥後に鍵穴専用の潤滑剤を少し使用して、動きがスムーズになるように馴染ませます。子鍵に潤滑剤を吹きかけて子鍵を抜き差しすると、鍵穴内に無駄な潤滑剤が残らずに済みます。

ちなみに、シリンダーをドアから取り外さずに洗浄した場合は乾燥にも時間がかかりますので、十分に乾燥させてから鍵穴専用の潤滑剤を注入して下さい。

鍵屋に分解洗浄を依頼する

クレ5-56を使用してから2週間程度が経過し、鍵の動きが固いなどの不具合が出てきている場合は、鍵穴内部で蓄積されたゴミや埃の塊が潤滑剤に吸着して固まってしまっています。

そうなると、鍵穴専用の潤滑剤を入れても洗い流すことができず、症状が改善されにくいので、鍵屋に分解洗浄を依頼するのがよいでしょう。ご自身でシリンダーを取り外し、分解して洗浄することは得策とは言えません。

先述したように、鍵の内部は非常に複雑な構造で、たくさんの細かなパーツが噛み合って解錠する仕組みになっており、これを分解したあと正確に組み直すほうが困難です。

分解して洗浄するまでは比較的容易にできても、細かなパーツを再び組み立て直すのは簡単ではありません。「自分で分解して洗浄まではしたけど、組み立て直しができない」というご依頼をいただくことがありますが、ディンプルキーなどの防犯性の高い複雑な構造のシリンダーだと、鍵屋でも対応が難しいことがあります。

鍵屋は部品の位置や組み合わせなどを確認しながら分解するので組み直しも可能ですが、お客様が分解された場合は部品があるべき位置や正しい組み合わせが分からなくなっていたりします。また、小さいパーツを気づかないうちに紛失されていたりすると、組み直しは困難になります。シリンダー内部品だけの販売はないので、殆どの場合、シリンダーの交換になってしまいます。

鍵屋にシリンダー交換を依頼する

クレ5-56の使用の有無に関わらず、鍵が固い、回しにくい、といった鍵穴内部の損傷や摩耗に起因するトラブルの根本的な原因は経年劣化であることが殆どです。

ですので、もし鍵が回しにくいといったことが原因でクレ5-56を使用した場合はシリンダー交換を依頼することも検討した方が良いでしょう。このような場合は分解洗浄を行って一時的に症状が改善されても、同じ症状が再発する可能性が高く、最終的にはシリンダー交換となってしまうことが多いのです。

シリンダーの使用年数が10年を超えているようであれば、分解洗浄よりもシリンダー交換を検討した方が、コストも余計にかからず結果的にはお得と言えるかもしれません

ちなみに、通常、鍵穴部分のみを交換するシリンダー交換であれば、鍵交換の費用を抑えることができるのですが、シリンダーとノブが一体型のインテグラル錠や円筒錠の場合、シリンダーのみを交換することができませんのでノブと錠ケースの一式を交換する必要があります。

無論シリンダー交換は新しい部品をネットショップなどで購入して、自分で作業することも可能です。しかし、正しい手順で正確に取り付けなければ、きちんと開閉できないなどのトラブルが起きる可能性もあります

また、既存の錠ケースに適合するシリンダーに交換するとなると、型番、サイズ、色、などの下調べにもかなりの時間を要します。しかも、シリンダーは一度購入すると返品できません。一度購入されたシリンダーは、合鍵を作られる可能性がありますので、返品不可となっています。

ですので、信頼できる鍵屋に交換してもらう方が無難だと言えるでしょう。

玄関の鍵が開けにくいときの対処法

そもそも玄関の鍵に不具合を感じたときに何をすべきなのか。鍵穴にクレ5-56を使わない適切な対処法について解説します。

鍵穴の掃除をする

鍵穴の中を掃除

玄関の鍵穴は室外にさらされているため、常に埃や細かなゴミが鍵穴から入り、シリンダー内部に蓄積しています。また、鍵を回したときの摩擦で生じる金属粉も鍵穴の掃除を怠ると、どんどん蓄積されていきます。

ですので、エアダスターを吹き付けてゴミを飛ばしたり、掃除機でゴミを吸い取るだけで、ある程度鍵穴をきれいにできます。しかし、爪楊枝やヘアピン、針金などでゴミを取り除こうとすると、鍵穴内部の部品が傷つき、シリンダーが正常に動かなくなるおそれがあります。

また、シリンダー内で針金などが折れてしまうと、シリンダー交換が必要になり、余計な費用がかかります。また、子鍵は柔らかい歯ブラシなどで汚れをとったあとに、布で拭くと汚れを取り除くことができます。

クレ556ではなく鍵穴用の潤滑剤を使用する

KABAクリーナー
※写真はKABA社の鍵穴専用潤滑剤

鍵穴を掃除しても動きが良くならない場合は、潤滑剤が少なくなっている可能性があります。元々シリンダー内には潤滑剤が塗られていますが、長年使用していると減っていきます。

そして潤滑剤が減ってくると、鍵の滑りも悪くなっていきます。クレ556ではない鍵穴用の潤滑剤はパウダー状で速乾性があるので、埃やゴミが付着しにくくなっています。

ただ、パウダー状なので入れ過ぎると詰まってしまうおそれがあります。特に水分が残ったまま使用するとダマになる可能性もあるので、使用するときは注意が必要です。

もし鍵穴専用の潤滑剤が手元にない場合は、鉛筆の黒鉛を子鍵の溝に塗るという方法もあります。鉛筆の芯に含まれる黒鉛には金属を滑りやすくさせる効果があります。できるだけ黒鉛が多く含まれている、Bや2Bの鉛筆を使うとさらに良いでしょう。

鍵のトラブルは鍵屋に任せるのが安心

鍵の不具合が起きたときに、自分で何とかしようとすることは自然ですが、鍵に関する知識が十分にないまま対処しようとすると、クレ5-56を鍵穴に使用するといった間違った使い方をしてしまいがちです。もし鍵穴にクレ5-56を使ってしまった場合は、速やかに鍵穴専用の潤滑剤やパーツクリーナーを使って洗浄するようにしてください。

結果的に自分ではどうしようもできなくなり、鍵屋に依頼するも高額な費用がかかってしまう場合もあります。そうならないためにも、鍵の動きに異変を感じたときには鍵屋に診てもらうようにして下さい。

出張専門の鍵屋は土日や祝日も営業している所も多く、最短20〜30分で駆け付けてくれます。

ただ、なかには作業後に高額な費用を請求する悪徳業者も存在するので、料金設定などをしっかり確認し、信頼できる鍵業者に依頼しましょう。

クレ556を玄関の鍵穴に使ってしまったら鍵屋に依頼しよう

ここまでクレ556を鍵穴スプレーとして鍵穴に使ってはいけない理由、使ってしまった時の正しい対処法について解説してきました。

クレ5-56は手に入れやすく、幅広い製品に活用できるため、鍵穴にも使用してしまう方がいますが、埃やゴミを吸着して固めてしまい、最終的にはシリンダーの故障につながります。

万能な潤滑剤であっても、適切な場所で使用しないと効果を発揮しません。また、クレ5-56だけではなく、自転車用のスプレー、サラダ油なども鍵穴には使用できませんので、注意してください。

鍵の動きが悪いときは、鍵穴の掃除や、鍵穴専用の潤滑剤を使用するようにしましょう。すでに鍵穴にクレ5-56を使ってしまい、ご自身で対処できない場合は、信頼できる鍵屋に依頼して下さい

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