ラッチが引っかかってドアが閉まらない!?自分でできる5つの対処法を解説!

この記事でわかること
- ドアラッチが引っかかる主な原因
- 自分でできる調整・修理方法
- DIYをするときの注意点
- 業者に依頼するメリットと費用相場

記事監修者
名前:金城 甫(きんじょう はじめ)役職:マネージャー
これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。
ドアのラッチは日々の生活で頻繁に使う部品ですが、引っかかりが生じると開閉時にストレスがかかり、最悪の場合ドアが閉まらず防犯性にも影響します。
この記事では、「なぜラッチが引っかかるのか」「自分でどこまで直せるのか」をポイントごとに解説します。
DIYに不慣れな方でも行いやすい手順を示し、必要に応じて専門業者を選ぶ際のチェックポイントもお伝えします。
同じような症状でお困りでしたらぜひ参考にしてください。
目次
ドアのラッチが引っかかる主な原因

ドアのラッチがストライクプレートにうまくかからず引っかかる要因は複数あります。
ラッチや蝶番のネジが緩み、ケース内部に汚れやサビが溜まると動きが鈍化し、ドア本体が歪むことで位置がずれたり、ストライク側とのかみ合わせがずれると、ラッチが途中で止まりやすくなります。
また、ラッチ内部バネやドアノブ本体の部品も使い続けるうちに劣化し、正常な動作が難しくなる場合があります。
以下では、具体的な原因を詳しく見ていきます。
ネジの緩みやバネの劣化
ラッチケースを固定しているネジが緩むと、内部でラッチが傾いたり、ケース全体が微妙にズレたりします。
その結果、ラッチがストライクプレートに正常に収まらず引っかかりが発生します。
さらに、ラッチ内部でバネ(スプリング)が長年使われることで弱まると、ラッチが完全に飛び出さず、正常なロック・開放動作ができずに途中で止まることがあります。
まずはネジの状態とバネのテンションを目視で確認し、ネジをきつく締め直すか、バネが緩んでいないかをチェックすることが大切です。
ラッチ部分やケース内にたまった汚れ・サビ
ラッチ本体やケース内部にホコリ、砂埃、または湿気によるサビが溜まると、機構の滑りが悪くなり、引っかかりやすくなります。
特に玄関周りは外気にさらされやすく、砂ボコリが入り込むケースが多く、湿度が高い浴室やキッチンのドアではサビが原因で動きが固くなる傾向があります。
日頃から掃除機やブラシで汚れを除去し、定期的に潤滑剤を塗布しておくことで、汚れ・サビによるトラブルを予防できます。
汚れがひどい場合は、ラッチを一度取り外してケース内部を清掃する方法も検討しましょう。
蝶番のネジの緩みやドア本体の歪み

ドアを支える蝶番(ヒンジ)のネジが緩むと、ドア全体が少し斜めになり、本来ストライクに向かって動くラッチが正しい位置に入らなくなってしまいます。
さらに、地震や経年劣化でドア枠やドア本体がわずかに歪むと、ラッチとストライクのかみ合わせがずれ、引っかかるようになります。
蝶番ネジを定期的に締め直しドアを手で軽く押してたわみがないか確認し、たわんだところで閉まるかを試し、歪みが原因かをチェックしてみましょう。
歪みがひどい場合は、専門業者に相談することをおすすめします。
ストライクの位置がずれている

ストライクプレート側のネジが緩んだり、取り付け時の施工不良で微妙に位置がずれていると、ラッチ本体がスムーズにかみ合いません。
調整式のストライクプレートであればネジを緩め、ドアを閉めたままプレートを少しずつ前後・上下に動かして最適な位置を探し、ラッチがストライクにスムーズに収まる位置でネジを締め直します。
ストライクの穴が小さすぎる場合や形状が合っていない場合は、穴を拡張するか、別の形状のストライクに交換する必要があります。
ラッチ本体やドアノブ自体の経年劣化・部品の摩耗
取り付けから10年以上経過したラッチ内部の小さなバネや部品は摩耗・劣化し、滑らかな動作が難しくなります。
ラッチ本体が古くなると、何度調整しても引っかかりが解消されないことが多く、ラッチごと交換する必要が出てきます。
また、ドアノブを支える内部軸がガタつく場合も、ドア全体の動きに影響を与えるため、ノブとラッチをセットで交換すると長期的な安心感が得られます。
自分でできるラッチの調整・修理方法
自宅で手軽にできる対処法として、蝶番やラッチケースを調整し、清掃・潤滑する方法があります。
ドアの重みや汚れを取り除き、ストライク位置を調整するだけでも引っかかりが大幅に改善するケースが多いため、まずは簡単な手順から試してみましょう。
蝶番のネジを調整する
ドアの歪みや傾きが原因でラッチがかみ合わない場合、蝶番のネジを確認しましょう。
まず、上部と下部の蝶番ネジを同時に緩め、ドアを手で上下・左右に微調整して最適な位置に合わせます。
次に蝶番に戻した状態で上下の固定ネジをしっかり締め直し、ドアがまっすぐに開閉するか確かめます。
床や敷居に擦れるときは、下部ヒンジの位置を少し上に持ち上げることで高さ調整が可能です。適切な位置になれば、ラッチがストライクへ自然に収まるようになります。
ラッチケースのネジを締め直す
ラッチケースを固定しているネジが緩んでいると、ラッチが斜めに傾き、ストライクに当たりやすくなります。
ドアを開け、ラッチケースの正面に見える固定ネジをドライバーでしっかり締め直しましょう。
ネジ穴が摩耗している場合は同じサイズのネジに交換し、ネジ山を立て直して保持力を復活させます。
ケースがしっかり固定されることで、ラッチが真っ直ぐ出入りするようになり、引っかかりが解消されることが多いです。
ラッチやラッチケースを清掃・潤滑する
ラッチ本体やケース内部に溜まったホコリやサビが原因のことも少なくありません。
まず、マイナスドライバーなどを使ってラッチをわずかに引き出し、表面に付着したゴミやサビを柔らかいブラシや布で拭き取ります。
内部が見える範囲であれば、エアダスターや掃除機で汚れを吹き飛ばすと効果的です。
その後、鍵用潤滑スプレーをラッチとケース内部に吹きかけ、ラッチを何度か押し込んで潤滑剤を内部に行き渡らせます。
黒鉛系の潤滑剤がない場合は、鉛筆の芯(B以上)をこすりつけることで一時的に滑りを改善できます。
ストライクの位置を調整する
ストライクプレート側のかみ合わせが悪いとラッチが入りきらず、途中で止まります。
ドアを閉めたままストライクプレートのネジを少し緩め、ドアを少しずつ開閉しながらラッチがスムーズに収まる位置を探します。
最適な位置が見つかったら、そのままネジをしっかり締め直します。
プレートが縦長の調整式タイプであれば、ネジを緩めた状態で少し動かしながら何度か開閉テストし、最もスムーズに動く位置で固定すると良いでしょう。
ラッチ本体を交換する
上記の方法で解決しない場合、ラッチ自体が故障している可能性があります。
まず、ドアノブとシリンダーを取り外し、ラッチケース前面のフロントプレートをドライバーで外します。
次にラッチを固定しているネジを外し、古いユニットをそっと引き抜きます。新しいラッチを差し込み、フロントプレートを元の向きで取り付け、ドアノブとシリンダーを戻します。
ラッチ交換時にはバックセットやドア厚み、フロントプレートの形状が合っているかを必ず確認し、規格が合う製品を選ぶことが重要です。
自分でラッチの修理や交換をするときの注意点
DIYでラッチ修理や交換を行う際には、工具の選び方や安全面、賃貸物件でのルールに注意が必要です。
間違った方法で作業を行うと、ドアやドア枠に傷を付けたり、取り返しのつかない故障を引き起こしたりするリスクがあります。
以下のポイントを守って、安全かつ確実に作業を進めましょう。
適切な工具を使い、ネジを無理に回さないこと

ラッチ部品や蝶番のネジは電動ドライバーよりも手動のドライバーを使うことを推奨します。
電動ドライバーではトルクが強すぎてネジ山を潰す恐れがあるため、ネジが固いときも力任せに回さず、潤滑剤を塗布してからゆっくり締め直すようにしましょう。
ネジ山がつぶれると交換できるネジが限られるため、最初から適切なサイズのプラスドライバーを使用することが重要です。
ラッチのサイズ・向きを必ず確認すること
ラッチを交換する際は、ドアの厚みやバックセット(ラッチの取り付け位置)を正確に測定し、新しいラッチが適合するか確認してください。
さらに、ラッチ本体には「上」を示す矢印が刻印されている場合がありますので、取り付け時に矢印の向きが合っているかを必ずチェックしましょう。
逆向きで取り付けるとラッチがスムーズに動かず、再び引っかかりが発生する原因となります。
ラッチ本体を外す際は構造を把握し、無理に引き抜かないこと
ラッチユニットを外すときは、前面のフロントプレートやドアノブ、シリンダーを順番通りに外し、ラッチケースのネジをすべて緩めてからゆっくり引き抜くようにしてください。
特に二重座や丸座タイプのドアノブでは、座(取り付けリング)を外し忘れるとラッチ本体が取り出せないことがあります。
構造を理解せず無理に引き抜くと部品を破損する恐れがあるため、必ず手順を確認して作業を進めましょう。
賃貸住宅では管理会社や大家に許可を取ること

賃貸物件でドアのラッチを交換・修理する場合は、事前に管理会社や大家に必ず許可を取りましょう。
原状回復義務や建付け変更に関する規約があるため、勝手に部品を交換すると退去時にトラブルになる可能性があります。
許可がおりない場合は、最小限の調整や潤滑で改善を図り、大掛かりな交換作業は控えるようにしてください。
自分で対処しきれなければ業者に依頼しよう
DIYでの修理が難しい場合や、自分で試しても改善しない場合は、専門の鍵屋や修理業者に依頼することを検討しましょう。
プロに任せることで確実かつ安全に問題を解決できますが、費用や業者選びのポイントもしっかり把握しておく必要があります。
業者に依頼するメリット
鍵屋や建具屋など専門業者に依頼すると、ドアのコンディションを総合的に点検し、最適な対策を提案してくれます。
自分では判断が難しい歪みや内部部品の状態を的確に把握し、高性能な工具や資材を使って短時間で修理・交換を行うため、結果的に長持ちする仕上がりが期待できます。
また、賃貸物件でも管理会社への説明を業者が代行するケースがあり、トラブル回避にもつながります。
信頼できる業者の選び方
信頼性の高い業者を選ぶには、以下のポイントをチェックしましょう。
まず、地域で長年実績のある鍵屋や建具修理店を選ぶと安心です。次に、ウェブサイトや口コミサイトで利用者の評判を確認し、「見積無料」や「技術保証付き」といったサービス内容があるかを調べます。
見積もりを複数社から取り、作業時間や保証内容を比較して総合的に判断すると良いでしょう。
下記記事でも信頼できる業者の選び方について解説しています。併せてご覧ください。
業者に依頼したときにかかる費用相場
鍵屋や修理業者への依頼費用は、内容や地域によって異なりますが、一般的な目安として以下のようになります。
項目 | 費用相場 |
出張料・技術料 | 3,000円~5,000円程度 |
ラッチ調整・軽い修理 | 5,000円~10,000円程度 |
ラッチ本体交換 | 10,000円~20,000円程度 |
ドア全体の建付け調整や歪み修正 | 15,000円~30,000円程度 |
簡易的な調整で済む場合は比較的安価ですが、ラッチ交換やドア修正が必要な場合は部品代と施工費がかさむため、事前に見積もりをしっかり確認することが大切です。
鍵修理にかかる費用相場について詳しく知りたい方は以下記事をご覧ください。
ドアが閉まらないときはキーレスキューサービスにご相談を!

ドアのラッチが引っかかる原因は、ネジの緩みやバネの劣化、汚れ・サビの蓄積、蝶番やドア自体の歪み、ストライクの位置ズレ、内部部品の経年劣化など多岐にわたります。
しかし、まずは自分で蝶番やラッチケースを調整し、清掃・潤滑を行うことで多くの場合は改善が期待できます。
また、ラッチ本体を新品に交換する方法も解説しましたが、賃貸住宅では許可が必要である点に注意してください。
DIYで対処できない場合は、信頼できる業者に依頼し、正確な診断と適切な修理を受けることが重要です。
その際はキーレスキューサービスまでご相談ください。キーレスキューサービスでは最短15分で現場に駆け付け解決いたします。
修理や交換など一貫して行えますので鍵トラブルでお困りでしたらキーレスキューサービスにお任せください。
