玄関の鍵が開かないときはどうすればいい?鍵屋が自分でできる対処方法を教えます!
この記事でわかること
- 玄関の鍵が開かない原因と自分で行う対処法
- 玄関の鍵が開かないときの間違った対処法
- 鍵を開けられなかったときは業者に依頼する
記事監修者
名前:金城 甫(きんじょう はじめ)役職:マネージャー
これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。
ある日突然「家の鍵が開かなくて中に入れない!」「トイレのドアが開かなくて閉じ込められた!」
なんて状況に陥ったらほとんどの人が焦りますよね。そんなときでもあらかじめ対処法についての知識があれば冷静に解決できることもあります。
今回は玄関などの鍵が開かない原因と対処法、やってはいけない対処法などについてご紹介したいと思います。
目次
玄関の鍵が開かない原因は?
対処法を紹介する前に、まずは玄関の鍵が開かない原因をいくつか紹介します。
間違った鍵を挿している
そもそも間違った鍵を挿している可能性があります。間違えるはずがないと思われがちですが、鍵の形状が似ていると間違えることもあります。
また、暗い場所で複数の鍵をまとめているキーケースから鍵を取り出すときなどは、見えづらく間違える可能性もあります。
鍵穴に汚れや異物が詰まっている
鍵穴にほこりやゴミなどの汚れや砂や細い木の枝などの異物が詰まって、鍵が開かない可能性があります。
玄関の鍵穴は基本的に外部にさらされているため、メンテナンスを怠るとほこりやゴミが溜まっていきます。
鍵を挿したときに鍵穴の形状とぴったりはまることで解錠できますが、ほこりなどが溜まると嚙み合わせが悪くなり開けられなくなります。
また、細い木の枝などが詰まっている場合は、偶然に詰まったとは考えにくく、第三者によるいたずらや嫌がらせが考えられます。
賃貸にお住まいの場合は、管理会社や大家に相談しましょう。このような行為は繰り返し行われる可能性があるので、警察にも相談しておきましょう。
鍵穴にいたずらをされたときの対処法については、下記記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。
鍵に汚れが付着している
鍵穴に差し込む方の鍵が汚れていると、鍵が開かないことがあります。特にディンプルキーは鍵の表面にくぼみがあり、そこに汚れが付着しやすいです。
ポケットやカバンに長時間入れたままにしていると、汚れがつきやすくなります。
鍵が変形している
鍵は長年使い続けたり強い衝撃が加わると変形してしまうことがあります。特にホームセンターなどで作る合鍵は真鍮を使っていることが多く、素材が柔らかいため変形しやすいです。
鍵が曲がったときの対処法については、下記記事をご一読ください。
鍵穴専用以外の潤滑剤を使用した
一般的な潤滑剤は油分を含んでいるため、鍵穴に使用すると鍵穴内部でほこりや汚れを吸着し、かえって鍵の動きを悪くしてしまう可能性があります。
家庭でよく使われる潤滑スプレーは、金属部品には有効でも、鍵穴には適していません。
吸着したほこりが鍵穴内部で蓄積し、塊となって不具合を起こす原因になります。
ストライクの位置がずれている
ストライクとは、ドア枠についているデッドボルト(かんぬき)やラッチボルトの受け皿となる金具のことです。
毎日のドアの開閉による振動や力任せにドアを閉めたときの衝撃などによって、ストライクを固定しているビスが緩んでしまい、デッドボルトやラッチボルトと嚙み合わず、鍵が開かなくなります。
鍵穴内部が凍結している
寒冷地や冬場では、鍵穴内部が凍結することで玄関の鍵が開かなくなる場合があります。特に夜間や早朝、気温が氷点下になる環境では、鍵穴内に溜まった湿気が凍り、シリンダーの動きを阻害します。
これにより、鍵がスムーズに回らなくなり、開けることができない状況が生まれます。
扉の建付けが悪い
扉の建付けが悪いと、デッドボルトとストライクが正しく噛み合わなくなります。日々のドアの開閉によって蝶番などのパーツが緩んだり経年劣化によって建付けが悪くなります。
玄関の鍵が開かないときに自分で試してほしい対処方法
様々な原因で玄関の鍵は開かなくなります。ここでは、そんなときに自分でできる対処法を紹介します。
正しい鍵を挿しているか確認する
正しい鍵を挿しているかきちんと確認し、それでも鍵が開かなければ他に問題があるということになります。
鍵穴を掃除する
鍵穴を掃除してほこりや汚れをとりましょう。方法としては、掃除機の吸口を鍵穴に吹き付けたりエアダスターを吹き付ける、などがあります。
エアダスターとは、空気でほこりや汚れを飛ばすスプレーで、ホームセンターなどで購入できます。
鍵穴を掃除する方法については、下記記事をご一読ください。
鍵を掃除する
鍵を拭き取り汚れをとることで開けられるようになるかもしれません。乾いた布で鍵の表面を軽く拭き、溝部分に溜まった汚れを除去します。
また、歯ブラシなどでも汚れをとることができるので、ぜひ試してみてください。
スペアキーなど別の鍵を使う
鍵が変形してしまっているときは、スペアキーなど別の鍵を使ってみましょう。
別の鍵で開けば、差し込む方の鍵に問題があったと判断できますし、それでも開かなければ別の箇所に不具合が出ている可能性が高くなります。
鍵穴専用潤滑剤を使用する
鍵が固くて開かないときは鍵穴の潤滑油が枯渇している可能性も考えられます。
金属製品や精密機械のメンテナンスでは、スプレーをかけて動きを良くする方法が知られていますが、鍵穴に使用できるスプレーはクレ5-56などの一般的なスプレーとは違うので注意してください。
鍵穴に使用できるスプレーは、「キースムーサー」などの鍵穴専用のスプレーで、ホームセンターなどでも購入することが可能です。
鍵穴の構造は精密かつ湿気に弱いため、通常のシリコンスプレーなどとは異なる成分の鍵穴専用スプレーを使う必要があります。
鍵穴専用以外の潤滑剤を使用すると、鍵の不具合が悪化したり鍵が使えなくなるリスクもあります。その場合、シリンダーの分解洗浄や交換が必要になるでしょう。
一般の潤滑剤やサラダ油などの食用油は絶対に使用しないようにしてください。
鍵穴専用潤滑剤の使用方法については以下の手順を実行してください。
- 鍵穴に鍵穴潤滑剤を少しさす(シュッと一押しする程度が目安)
- 子鍵を差し込んで数回抜き差しして、潤滑剤をなじませる
また、潤滑剤の代用品として、鉛筆の芯を使った方法もご紹介します。鉛筆の芯の材料である黒鉛には潤滑作用があるので、鉛筆を鍵に塗るだけでも効果があります。
- 子鍵の凹凸に鉛筆を塗る
- 子鍵を差し込んで数回抜き差しする
間違えて鍵穴専用ではない潤滑剤を使ってしまった場合は、自力での対処は難しく、鍵屋などの専門業者に依頼するのが得策です。
ストライクを調整する
ストライクの位置がずれている場合は調整が必要です。ストライクを固定しているネジを緩めて、正しい位置に微調整します。
簡単な作業のように思えますが、少しでも不安がある場合は、無理せず鍵屋などに依頼するとよいでしょう。
自分で玄関の鍵を開けられなかったときの対処方法
ここまで紹介した自分でできる対処法でも解決できなかった場合は、人の手を頼るしかありません。保険や業者に依頼する場合の料金相場を解説します。
賃貸物件の場合は管理会社や大家に連絡する
賃貸物件の玄関の鍵が開かないときは、自分で無理に鍵を変えようとしたり業者を手配する前に、まずは管理会社または大家さんに状況を伝えましょう。
管理会社や大家さんが手配してくれる場合や貸主が提携している鍵屋さんが対応することもあります。また、鍵をなくした際も同じです。
管理会社や大家さんは、だいたいの場合スペアキーを保管しているので、部屋を開けるだけであれば割とすぐに対応してもらえます。
賃貸物件は、その建物を所有する貸主の所有物であるため、自分だけの問題で済ますことができません。
許可なく自分で鍵を交換したり、鍵業者に依頼するといった勝手な行動をしてしまうと、管理会社や大家とのトラブルにもなってしまう可能性もあるので、事情を報告して対応を任せるのが一番です。
大家さんから鍵屋を呼んでもいい、という許可が出た場合は鍵屋のキーレスキューサービスにお任せください。
加入しているサポートや保険を利用する
賃貸契約の際に「安心入居サポート」などのサービスに加入しているのであれば、サービス内容にもよりますが無償で対応してもらえることもあります。
最近の火災保険であれば、特約などを入れなくても基本プランの中に鍵開けや鍵交換のレスキューサービスが付帯していることもあるので、臨時の鍵トラブルに遭遇したときは火災保険の連絡先に電話して保険内容などを確認してみるといいでしょう。
保険会社を利用する際は賃貸の場合、先に管理会社や大家さんに連絡をして許可を得る必要があります。
火災保険の付帯サービスについて詳しく知りたい方は、下記記事をご一読ください。
急ぎの場合は業者に依頼する
自分でなんとかしたいという気持ちもわかりますが、トラブルを大きくしてしまい余計な出費になってしまうことも少なくありません。
そういったときには、鍵屋を利用してみてください。
玄関の鍵を開けるときの作業時間目安
簡単な鍵の鍵開けなら5分程度で完了します。ただ、錠前が故障していたりすると破壊して開ける必要があるため、30分~1時間程度かかる場合があります。
玄関の鍵を開けるときの作業料金相場
玄関の鍵開けを業者に依頼した場合の料金相場は以下の通りです。防犯性が高くなるほど、鍵開けの難易度も上がるので料金は高くなります。
鍵の種類 | 料金相場 |
刻みキー(ギザギザタイプ) | 8,000円~20,000円 |
ディンプルキー | 15,000円~30,000円 |
電子錠 | 20,000円~50,000円 |
鍵開けの料金相場については以下の記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。
玄関の鍵が開かないときの間違った対処法
ここでは、鍵が開かないときにやってはいけない対処法について解説します。
強引に鍵を回す
鍵が開かないからといって無理やり鍵を回してしまうと、鍵が中で折れてしまうこともあります。
また、シリンダー(鍵穴)が破損して交換しないといけなくなってしまうこともあるので、強引に回すことはやめましょう。
鍵穴の中で鍵が折れてしまったときは、以下の記事で対処法について解説しています。併せてご一読ください。
針金やつまようじを使う
鍵穴の中に詰まっているゴミなどをかき出そうと針金や爪楊枝などを使おうと考える人もいるかもしれませんが、こちらも中で折れてしまう可能性があるので使わない方がいいです。
もし折れて中で詰まってしまうとシリンダー(鍵穴)ごと交換することになりかねません。
鍵穴に詰まった異物を除去する方法については、下記記事をご一読ください。
シリコンスプレーを使う
工具や自転車などに使用するシリコンスプレーなどを使ってしまうと、鍵穴に油が付着し、その油にゴミや異物がくっついてしまいます。
シリコンスプレーも潤滑剤なので一時的には滑りがよくなりますが、時間が経てば故障の原因になってしまうので鍵穴での使用はやめましょう。
そのまま放置する
鍵が少し変形していることに気付いても、「使えるから大丈夫!」とそのまま放置して使い続ける方もいます。
しかし、そのまま使い続けるとシリンダーの方に負担がかかってしまい、最終的には大きなトラブルになりシリンダーごと交換しないといけない、ということになりかねません。
何か異変に気付いたら速やかに修理または鍵交換を行ってください。
鍵が開かなくてお困りの方は鍵屋に連絡!
鍵が開かなかったり玄関の鍵を無くすといったトラブルについ焦ってしまい、自分でなんとかできないかと考えてしまいがちです。
しかし、残念ですが、自力でできることはほぼありません。
最近ニュースで大きく取り上げられているように、侵入強盗という乱暴な犯罪も頻発していることもあって一般家庭でも防犯性能の高いシリンダーを設置していることが多く、素人が開錠できる可能性は限りなく低いでしょう。
自力で鍵開けにチャレンジしても、いたずらに時間だけを消費するだけでなく、無理に鍵を開けようとして鍵穴を傷つけてしまい、余計な費用がかかってしまうこともあります。
玄関鍵のトラブルで困った際は、ぜひ鍵屋のキーレスキューサービスにご相談ください。
キーレスキューサービスでは緊急の鍵開けはもちろんのこと、鍵の紛失や盗難による鍵交換も速やかな施工が可能です。
弊社は緊急時のキャンセル以外の出張料金・見積り料金は基本的に頂いておりません。見積り前に料金を提示し、お客様の了承を得てから作業に移ります。
豊富な知識と実績を持つスタッフが駆け付けますので、お気軽にご相談ください。