マスターキーを紛失したらどうする?最初に取るべき行動と対処法を解説!
この記事でわかること
- マスターキーとオリジナルキーの違い
- 紛失したときの対処法
- マスターキーの作成にかかる費用
- 今後マスターキーをなくさないための対策

記事監修者
名前:金城 甫(きんじょう はじめ)役職:マネージャー
これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。
マスターキーを紛失してしまった…。そんな状況に焦っている方も多いのではないでしょうか。
マスターキーは1本で複数の部屋や共用部を開けられるため、失くしたまま放置すると不正侵入や防犯性の低下など、大きなトラブルにつながる可能性があります。
だからこそ、早めの対応と正しい手順を知っておくことが重要です。
本記事では、マスターキーを紛失した際の正しい対処法、鍵作成の費用、今後紛失しないための対策までわかりやすく解説します。
焦らず、本記事に沿って正しい行動をとれば、被害やトラブルを最小限に抑えることができます。
目次
そもそもマスターキーとは?

マスターキーとは、複数の部屋や扉を1本の鍵で開けられる鍵のことです。アパートやマンションなどの賃貸住宅、ホテルなど、多くの鍵を管理する必要がある場所で使用されています。
マスターキーは複数の異なる鍵穴を開けられるように設計されており、管理や緊急対応をスムーズに行えるようになっています。
これは鍵の内部にあるピンの組み合わせを調整することで実現されており、マスターキー専用のピン配置が施されています。
ただし、それだけ重要な役割を持つため、紛失すると防犯上のリスクが非常に高くなります。
1本の鍵で多くの部屋に侵入できる可能性があるため、紛失時の対応は一般の人が普段の生活で使う鍵とは大きく異なり、より迅速で正確な判断が求められます。
マスターキーとオリジナルキーの違い
マスターキーとよく間違えられるのがオリジナルキーです。
マスターキーとオリジナルキーの大きな違いは、開けられる範囲の広さです。オリジナルキーは特定の1つの扉しか開けることができません。
オリジナルキーは「純正キー」とも呼ばれ、錠前を設置した際に最初にもらう鍵のことです。純正キーには「MIWA」「GOAL」「WEST」などのメーカー名と鍵番号が刻印されています。
具体的な例として、賃貸マンションでは住人が使う鍵(各部屋の鍵)は部屋ごとに異なりますが、管理人が持つマスターキーであれば全室のドアを開けることができます。
オフィスでも同様に、社員は自分の部署の鍵しか持っていなくても、管理担当者であればマスターキーで全ての部屋を開閉できます。
マスターキーの仕組みについては下記記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
マスターキーを紛失したときの正しい対処法
マスターキーを紛失した場合は、通常の鍵をなくしたときよりも高い危険性と緊急性があります。
そのため、焦って探し回る前に、まず冷静に状況を整理し、安全を確保する行動をとる必要があります。
ここでは「何から始めれば良いのか」「誰に連絡すべきか」「防犯のために何をすべきか」を順を追って解説します。
紛失した場所・状況をできるだけ正確に思い出す
マスターキーをなくしたと気づいたら、最初にやるべきことは、最後に鍵を使った場所と時間を思い出すことです。
慌てて探すよりも、時系列で状況を整理する方が見つかる確率は高くなります。
例えば「朝は自宅から持ち出した」「会社の休憩室に置いた気がする」「帰り道で立ち寄ったコンビニ」「作業現場の鍵を閉めた後ポケットに入れた」など、行動をできるだけ具体的に振り返ります。
また、紛失場所が屋外の場合と屋内の場合では対応が大きく異なります。屋外で落とした場合は第三者が拾って悪用する危険性があるため、早めの防犯対策が必要です。
屋内や自宅やオフィス内など鍵が届く範囲が限られている場合は、捜索優先で問題ありません。
警察に遺失物届を出す
鍵が見つからないと判断したら、次に行うべきは警察への「遺失物届」の提出です。
遺失物届を出すことで、誰かが拾って交番や警察署に届けた場合、あなたに連絡がくるようになります。
また、鍵を悪用された場合に「紛失時に警察へ届け出を行った」という記録が残るため、トラブルや責任問題が発生したときの証明にもなります。
遺失物届は、最寄りの警察署・交番・オンライン(警視庁のサイトなど一部地域対応)で提出できます。
届出の際に必要な情報は以下の通りです。
- 鍵を失くした日時と場所
- 鍵の形状(キーホルダーの有無・刻印番号・色など)
- マスターキーであること(説明できる範囲で可)
- 氏名・住所・連絡先
紛失が建物全体のセキュリティに関わる場合は、その内容も伝えておきましょう。届出後は「受理番号」または「受理書」が発行されるので、控えておくと後の連絡や報告に役立ちます。
管理会社・勤め先・関係者に報告する
マスターキーを紛失したことが分かったら、自己判断で放置せず、すぐに管理会社・会社の上司・施設の管理担当者など、鍵の管理権限を持つ人へ報告することが必要です。
特にマンションやオフィスなど複数の人が利用する場所では、安全性の確保や防犯のためにも早急な共有が求められます。
マスターキーは自分だけの鍵ではなく、多くの部屋や施設の安全に関わるものです。
報告をためらったり、見つかるまで黙っていたりすると、防犯面のリスクだけでなく、報告が遅れたことによって責任を問われるケースもあります。
特に会社やマンションの管理体制では、報告をせずに対応した場合、重大な規則違反や損害賠償につながる可能性もあるため注意が必要です。
紛失したマスターキーを使えないようにする
マスターキーが見つからないまま一定時間が経過した場合や、誰かに拾われた可能性がある場合は、防犯のため鍵を使えない状態にする必要があります。
主な方法は以下の3つです。
- 鍵穴(シリンダー)を交換する
- 鍵のコアを組み換え(鍵穴内部のピン構造だけ変更し、鍵本体は交換せず対応する)
- 電子錠・カードキーの場合は登録削除や再設定
鍵交換は費用がかかりますが、防犯性を確実に保てる方法です。マスターキーを紛失したまま使用し続けると、万が一悪用された場合に責任問題が大きくなる可能性があります。
そのため、管理会社や建物所有者と相談し、必要であれば早めに交換を判断することが重要です。
マスターキーの作成にかかる費用
マスターキーの作成費用は、一般的な合鍵作成とは大きく異なり、金額も高額になる傾向があります。
理由は、通常の鍵のように1本を複製するだけではなく、建物全体の鍵の階層構造に合わせて作成する必要があるためです。
さらに、鍵メーカーが管理しているデータや番号情報をもとに発注することも多く、個人では依頼できず、管理会社や建物の所有者を通して注文するのが基本となります。
費用は鍵の種類によっても変わります。例えばディスクシリンダーやピンシリンダーなどの従来型の鍵では1~3万円程度で作成可能な場合がある一方、防犯性が高いディンプルキータイプのマスターキーでは3万〜8万円程度かかることもあります。
また、建物やオフィス全体に広く使用されている場合、鍵1本の再作成ではなく、シリンダー交換や鍵システムの再構築が必要になり、10万円以上になるケースも珍しくありません。
重要なのは、紛失した鍵1本を作り直すだけで済むのか、それとも防犯のため鍵全体を交換すべきかによって費用が大きく変わることです。
紛失状況や影響範囲、鍵の種類によって判断が変わるため、管理会社や鍵業者と相談しながら、必要な作業と費用を明確にしておくことが大切です。
今後マスターキーを紛失しないための対策

マスターキーの紛失は、防犯面のリスクだけでなく、鍵交換費用や関係者への報告、場合によっては責任問題にも発展します。
そのため、紛失後の対応だけでなく、再発防止策を講じておくことが非常に重要です。
ここでは、個人でも実践できる鍵の管理方法から、法人やマンションなど複数人で共有する環境でのルール作りまで、具体的な対策を紹介します。
鍵の保管場所を固定する
鍵を紛失する原因の多くは、どこに置いたか分からなくなるという日常的なミスです。
特にマスターキーのように重要性が高い鍵であれば、保管場所を明確に決め、そこにしか置かないという習慣をつけることが効果的です。
例えば、自宅であれば玄関近くの鍵ボックス・壁掛けフック・収納トレイなどに定位置を作り、ポケットやバッグの中に入れっぱなしにしないことが大切です。
また、会社や施設などの管理者の場合は、鍵の保管ルールを明確にし、誰でも勝手に持ち出せないように、施錠されたキャビネット・キーボックス・貸出記録簿の運用などを取り入れることが求められます。
重要なのは、鍵をどこに置いたかではなく、鍵を置く場所を1カ所に固定することです。定位置が決まっていれば、仮に見当たらなくなったとしても探す範囲が限定され、紛失リスクが大幅に減ります。
鍵の最適な置き場所については下記記事で解説しています。併せてご覧ください。
スペアキーを作成する
マスターキーを含む鍵管理において、スペアキーの作成は非常に重要な対策です。スペアキーがあれば、紛失や破損が起きてもすぐに対応でき、業務や生活が止まることを防げます。
ただし、マスターキーの場合は通常の鍵と違い、誰でも自由に複製できるわけではありません。
多くの場合は管理会社・建物の所有者・鍵メーカーの正式な許可が必要で、個人が勝手に作ることはできません。
そのため、スペアキーを作成したい場合は、まず何本必要か、誰が保管するのかを明確にし、必要最小限の本数で管理することが重要です。
また、スペアキーを作った場合は、保管場所を分散させると同時に、貸し出し管理や記録の徹底も欠かせません。
例えば、1本は管理者が保管してもう1本は緊急時用に耐火金庫で保管など、紛失時にも安心できる体制作りが求められます。
スペアキーの作成には費用が発生するものの、万が一紛失した際のシリンダー交換費用や防犯対応に比べれば、対策費としては非常にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
スペアキーの作成については下記記事でも解説しています。併せてご覧ください。
マスターキーを紛失したときは早めの対応を!

マスターキーを紛失した場合、「そのうち見つかるかもしれない」「気づかれなければ大丈夫」と放置することは非常に危険です。
マスターキーは通常の鍵と違い、複数の部屋や共用部にアクセスできるため、悪用された場合の被害は大きく、建物全体の防犯性が低下します。
最悪の場合、不正侵入や盗難などの犯罪につながる可能性もあり、紛失を知っていながら対応しなかった責任を問われるケースも存在します。
そのため、紛失に気づいたら早急に状況を整理し、警察への届出、管理会社や会社への報告、鍵の無効化や交換など、必要な手順を進めることが重要です。
早めの行動は防犯対策になるだけでなく、問題発生時の責任を軽減することにもつながります。「もしかしたら見つかるかも」ではなく、万が一に備えて安全を守るという視点で判断しましょう。
また、今回の紛失をきっかけに、鍵の保管方法や管理ルールを見直すことも大切です。
例えば定位置保管の徹底、スペアキーの管理、鍵の貸出記録の導入など、日頃からの意識と仕組みづくりが再発防止につながります。
マスターキーは便利である反面、失ったときのリスクも非常に大きいものだからこそ、正しい知識と素早い対応が求められます。
マスターキーの紛失でお困りの場合は、最短15分で駆け付ける出張専門の鍵屋キーレスキューサービスにご相談ください。











