サムラッチ錠は自分で交換できる？注意点や費用相場を解説！
この記事でわかること
- 交換用サムラッチ錠の選び方
- 自分で交換する方法
- 業者に依頼した場合の費用相場
- 交換費用を抑える方法
記事監修者
名前：金城 甫（きんじょう はじめ）役職：マネージャー
これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。
玄関ドアに多く使われる「サムラッチ錠」は、装飾性が高くクラシックな雰囲気を演出できることから、戸建住宅を中心に根強い人気があります。
しかし、長年使用していると、動きが悪くなったり鍵がかかりにくくなったりといった不具合が生じることもあります。このようなときに検討されるのがサムラッチ錠の交換です。
とはいえ、一般的なシリンダー錠と異なり、サムラッチ錠は構造が複雑なうえ、扉に合わせた部品選びや慎重な取り付けが求められます。
自分で対応できるかどうかを判断するには、基本的な知識や注意点、そして交換にかかる費用の目安を把握しておくことが大切です。
本記事ではサムラッチ錠を自分で交換する際のポイントから業者に依頼する場合の相場まで、分かりやすく解説します。
目次
そもそもサムラッチ錠とは？
サムラッチ錠とは、主に住宅の玄関ドアに使われる装飾性と操作性を兼ね備えたドア錠の一種です。最大の特徴は、取っ手部分に設けられたボタンを親指で押すことで、ラッチ部分が解錠される構造にあります。
デザイン面では、鋳物調や真鍮風の重厚な装飾が施されることが多く、洋風建築やアンティーク調の玄関ドアとの相性が非常に良好です。
美和ロック（MIWA）のサムラッチ錠は特に知名度が高く、LAFシリーズやBHシリーズなど多くのバリエーションが存在します。
既存の扉に合わせた互換性を考慮して設計されており、交換や修理の際にも比較的スムーズに対応できます。
ただし、防犯性の観点では古いモデルの中にピッキング耐性が弱いものもあるため、防犯建物部品認定のCPマーク付き製品など、現行の高性能なモデルへの交換が推奨されます。
交換するサムラッチ錠の選び方
サムラッチ錠を交換する際は、見た目や価格だけで選ぶと後悔することがあります。既存の錠前と合わない商品を購入してしまうと、取り付けできなかったり、防犯性が低下したりするリスクがあるためです。
確実に取り付けできる製品を選ぶには、事前にドアの仕様や既存部品の情報を正確に把握しておく必要があります。
ここでは、交換用サムラッチ錠の選び方について解説します。
メーカーと型番を調べる
サムラッチ錠を交換する際には、まず現在使用している錠前のメーカーと型番を調べる必要があります。
サムラッチ錠はメーカーごとに形状や取り付け穴の位置などが異なるため、適合しない部品を選んでしまうと取り付け自体ができません。
多くの場合、扉の室内側のプレートやサムターン付近、またはシリンダー部分に「MIWA」や「GOAL」「WEST」などのロゴや刻印が入っているため、これを手がかりに調査します。
型番については、プレートの裏側や鍵本体の側面に印字されていることが多く、代表的な型番にはMIWA製「LAF」「BH」「DA」などが存在します。
取り外しが困難な場合はスマートフォンで写真を撮り、鍵専門業者やメーカーサポートに画像を送って特定してもらう方法も有効です。
既存の製品と同一または互換性のある型番を確認することで、交換作業がスムーズに進み、ドアの加工も必要なくなります。
ドアノブのサイズを計測する
サムラッチ錠の交換にあたっては、ドアノブのサイズ計測が欠かせません。既存のドアノブと新しく取り付ける製品のサイズが合っていないと、取り付けそのものが不可能になるほか、無理に設置しても動作不良や隙間による防犯性の低下を招く恐れがあります。
鍵のサイズを計測する
サムラッチ錠の交換にあたっては、鍵のサイズを正確に測定することが重要です。計測する箇所は以下の通りです。
- ドアの厚み
- ラッチの高さと幅
- 錠ケースの高さと幅
- ビスピッチ（錠ケースを固定している上ネジと下ネジの距離）
- バックセット（鍵穴の中心からドアの端までの長さ）
サムラッチ錠を自分で交換する方法
サムラッチ錠の交換は、構造を理解したうえで正しい手順を踏めばDIYでも対応可能です。特に古い玄関ドアに多く使われているこのタイプの錠前は、経年劣化や不具合によりスムーズに開閉できなくなることがあります。
ここでは、サムラッチ錠を自分で交換する具体的な手順について解説します。
工具を用意する
サムラッチ錠を自分で交換するには、あらかじめ必要な工具を揃えることが基本となります。作業にはプラスドライバーとマイナスドライバーが最低限必要です。
また、古いサムラッチ錠を取り外す際にネジが固着しているケースもあるため、ネジ外し剤を用意しておくと安心です。
さらに、ネジをなくさないようにするために小さい箱を準備しておくと、作業中の混乱を避けられます。
ドライバー以外では、六角レンチやスパナが必要になる機種もあるため、交換予定の錠前の仕様を事前に確認しておくことが重要です。
工具が揃っていれば、無駄な手間を省き、短時間で安全かつ確実にサムラッチ錠の交換を進めることができます。
サムラッチ錠の外し方
サムラッチ錠を外す際は以下の手順で行います。
1.室内側のドアノブに固定されているネジを外し、ドアノブを取り外します。
2.室外側のドアノブを取り外します。
3.室内側上部のサムターンのネジを外し、サムターンと室外側の鍵穴を取り外します。
4.ドア側面のフロントプレートについているネジを外し、錠ケースを取り外します。
サムラッチ錠の取り付け方
サムラッチ錠を取り付ける際は以下の手順で行います。
1.錠ケース、フロントプレートの順番で取り付け、ネジで固定します。
2.室外側のドアノブの鍵穴のネジを外し、新しい鍵穴を取り付けてネジで固定します。
3.室外側の上部の鍵穴のネジを外し、新しい鍵穴を取り付けてネジで固定します。
4.室外側のドアノブを取り付け、室内側のドアノブを取り付けネジで固定します。
5.室外側の上部の鍵穴、室内側のサムターンの順番で取り付け、ネジで固定します
自分での交換が難しければ業者に依頼しよう
サムラッチ錠は構造が複雑で、種類や仕様も多岐にわたるため、自己判断での交換作業は思わぬトラブルにつながるおそれがあります。
特に古い建物や特殊形状のドアでは、適合するパーツの特定だけでも難航することが少なくありません。無理に作業を進めてしまうと、扉本体に傷をつけてしまったり、誤った取り付けにより防犯性能が著しく低下するリスクもあります。
こうした背景から、確実かつ安全に交換したい場合は、鍵の専門業者に依頼するという選択肢が非常に有効です。専門知識を持つ業者であれば、現地の状況を正確に判断し、最適な製品と取り付け方法を提案してくれるため、結果的に費用対効果にも優れた対応が可能になります。
サムラッチ錠の交換を業者に依頼するメリット
専門知識を求められるサムラッチ錠の交換を鍵業者に依頼する最大のメリットは、施工ミスのリスクを避けられる点にあります。
例えば、美和ロックやGOALなどの異なるメーカーによりビスピッチやラッチケースの深さが微妙に異なることがあり、交換作業に慣れていない方では対応しきれないケースもあります。
業者に任せることで、現地の扉形状や既存の錠前仕様に最も適した製品選定と取り付けが可能となり、防犯性能も最大限に引き出せます。
また、施工後の保証が付帯することも多く、万が一の不具合が発生した場合も速やかに対応してもらえる安心感があります。
さらに、作業時間も短く、一般的には30分〜60分程度で完了するため、時間的コストも抑えられます。こうした点から、確実で安全な仕上がりを求めるなら専門業者への依頼が有効です。
サムラッチ錠の交換を業者に依頼したときの費用相場
サムラッチ錠の交換を業者に依頼した場合のおおよその費用相場は以下の通りです。
| 作業内容 | 費用相場（税込） |
| 鍵穴交換 | 20,000円～40,000円 |
| 錠ケース交換 | 40,000円～50,000円 |
| 錠前一式交換 | 85,000円～120,000円 |
金額には出張費・作業代・部品代が含まれることが多く、鍵の型式や設置状況によっては追加費用が発生するケースもあります。
依頼前に明確な見積もりを確認することで、予算とのズレを防ぐことができます。信頼性の高い業者であれば、作業内容を丁寧に説明しながら適正価格で対応してくれるため、安心して依頼できる体制が整っています。
費用相場については下記記事でさらに詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
信頼できる業者の選び方
業者に依頼する際は、料金の透明性と実績の豊富さを重視することが大切です。公式サイトで作業事例や料金表を明示しているかを確認することで、見積もりトラブルのリスクを抑えられます。
加えて、口コミやGoogleレビューの評価も参考になり、評価が4.5以上で投稿数が多い業者は信頼を得ている傾向があります。
さらに、対応エリアが明確で、現場到着までの目安時間を案内してくれる業者は、緊急対応力にも優れています。
こうした情報を踏まえて比較検討すれば、安心して任せられる鍵の専門業者を見つけることが可能です。
信頼できる鍵業者の選び方については以下記事でさらに詳しく解説しています。併せてご覧ください。
サムラッチ錠の交換費用を抑える方法は？
サムラッチ錠はデザイン性と操作性に優れていますが、交換費用が高額になりやすい点が悩みの種です。特に装飾性の高い玄関ドアに使われるケースが多く、部品代や作業代も相応にかかってきます。
少しでも負担を減らしたい方に向けて、費用を抑える方法をいくつかご紹介します。
部品を取り寄せて交換だけしてもらう
サムラッチ錠の交換費用を抑えたいときは、部品を自分で手配して交換作業のみを業者に依頼する方法が効果的です。
例えば美和ロックやGOALなどの主要メーカーであれば、品番さえわかれば公式サイトや大手通販サイトでの部品購入が可能です。
事前に対応する型番を調べておけば、業者にすべて任せるよりも1万円以上安く済むケースもあります。
ただし部品の選定ミスやサイズ違いを防ぐため、現物の型番確認やメーカーへの問い合わせを忘れずに行うことが大切です。
サムラッチ錠以外の鍵に交換する
サムラッチ錠は独特のデザインと構造を持つため、交換部品の流通が限られていたり価格が高めに設定されていたりする傾向があります。
こうした背景から、交換費用を抑えたい場合はサムラッチ錠以外の鍵へ切り替えることが有効です。
例えば、面付箱錠やレバーハンドル錠などの汎用品であれば、選べる製品数が豊富で価格競争も活発なため、1万円前後で本体が手に入ることもあります。
また工賃もシンプルな構造の鍵であれば抑えやすく、総額で2万円以内に収まるケースも少なくありません。
デザインの変更を許容できるのであれば、こうした一般的な錠前に変更することで、メンテナンス性や今後の部品調達のしやすさも向上します。
複数社に見積りをとる
サムラッチ錠の交換を検討する際は、1社の見積りだけで即決せず、少なくとも3社以上に相見積もりを依頼することが費用を抑えるうえで効果的です。
業者によっては、同じ作業内容でも2万円以上の差が出ることも珍しくありません。施工料金に加え、部品の仕入れルートやサービス体制の違いによって費用にばらつきが生じるため、複数の見積りを比較することが価格の妥当性を見極めるポイントとなります。
また、見積りの内訳が明確かどうかも重要で、出張費や追加工賃が含まれているかを確認しておくことで、後から予想外の出費を防げます。
価格だけでなく対応の丁寧さや説明のわかりやすさも比較材料として取り入れると、費用面と安心感の両面で満足のいく依頼先を選びやすくなります。
助成金や補助金を活用する
サムラッチ錠の交換にかかる費用を少しでも軽減したい場合は、自治体が実施している防犯対策の助成金や補助金制度を活用することが有効です。
助成を受けるには、施工前の事前申請や認定業者の利用が条件となることが多いため、各自治体の公式サイトで最新情報を確認し、必要書類やスケジュールを把握しておくことが大切です。
補助金等については下記記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
サムラッチ錠の交換は鍵屋に依頼するのがおすすめ
サムラッチ錠は装飾性が高く、美観と防犯性を兼ね備えた鍵ですが、その構造が複雑であるため自力での交換は難易度が高めです。
特に型番が廃盤になっている場合や、既存の扉にぴったり合う製品を探す必要がある場合には、専門知識と経験が求められます。
鍵屋に依頼すれば、現地調査から最適な製品選定、取り付け作業まで一括で任せることができるため、トラブルを避けながらスムーズに交換が完了します。
鍵屋に依頼する際は、ぜひキーレスキューサービスにご相談ください。豊富な経験と知識を持ったスタッフが多数在籍しているため、お客様のご希望に沿ったご提案が可能です。
出張費・見積費・基本料は一切かかりません。費用が発生するのは施工を行った場合だけですので、見積りだけのご相談も無料で承っております。
365日営業しておりますので、サムラッチ錠の交換をご検討の場合は、ぜひキーレスキューサービスにお問い合わせください。
