テンキー式金庫が開かない・反応しない原因と開け方について解説
この記事でわかること
- テンキー式金庫が開かない・反応しない原因
- テンキー式金庫が開かないときの対処法
- 鍵屋に金庫の鍵開けを依頼するメリット
記事監修者
名前:金城 甫(きんじょう はじめ)役職:マネージャー
これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。
テンキー式金庫が開かずお困りではありませんか?
テンキー式金庫とは鍵穴に鍵を差し、0~9桁の暗証番号を入力することで解錠できる金庫です。
金庫は耐久性だけはなく耐火性能もあり、泥棒や火災から貴重品や資産、大切な書類などを守るには心強い存在です。
多くのテンキー式金庫が電池で動いており、電気信号でロックを操作する電子金庫です。
そのため、ある日突然、「金庫が開かない」「反応しない」といったトラブルが発生することもあります。
突然金庫が開かなくなれば焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて対処すれば解決できるかもしれません。
この記事ではテンキー式金庫が開かない・反応しない原因と開け方について解説します。
目次
テンキー式金庫が開かない・反応しない原因
テンキー式金庫は金庫内部に組み込まれている基盤とテンキーで入力した暗証番号を照合します。
一致すれば、「ソレノイド」と呼ばれる電磁石が通電することで解錠できる仕組みになります。
セキュリティー性能も極めて高いので、業務用、家庭用問わず人気があります。
鍵を使わず暗証番号のみで開閉できるものもあるので、普段から頻繁に金庫を開閉される方におすすめです。
また、会社の金庫番が代わる際には暗証番号を変更できるので、店舗や事務用としての需要も高いです。
しかし、テンキー式金庫は原因不明の動作不良も起こりやすく、金庫が開かなくなるといったトラブルは少なくありません。
テンキー式金庫が開かない・反応しない原因はいくつか考えられます。
故障を疑う前に以下の原因を調べてみてください。
電池切れ
テンキー式金庫の多くが単三のアルカリ電池を4本使用する電池式で、金庫が開かなくなる・反応しないという原因のほとんどは電池切れによるものです。
この場合は、新品の電池に交換することで解決します。
テンキー式金庫は使用していない状態でも電池が消耗するので、1年に1回交換することをおすすめします。
交換の際はアルカリ電池の周囲温度(電池周辺の温度)に注意しましょう。
電池の周囲温度は5~45℃(パナソニックHPより)なので、この温度を超えてしまうと電池の性能が十分に発揮出来ない可能性があります。
寒い場所に電池を置いている場合は一度温めてから取り付けましょう。
また、電池ボックスが金庫内にあって交換できない場合は、緊急解錠用の鍵で開けられるものもありますが、ない場合は自力での対処が難しいので、鍵屋に依頼することをおすすめします。
基盤の不具合
電池を入れ替えても解決しない場合は、金庫内部で故障している可能性があります。
特にテンキー式金庫は精密機械であるため、先述した「ソレノイド」という部品が故障している場合、金庫は作動しなくなります。
また、夏場などの暑すぎる環境では、電池が液漏れを起こします。
液漏れによって基盤が侵食されると、基盤故障で修理が難しい可能性があります。
物の詰め込み過ぎ
テンキーも反応し、鍵も回るのに金庫が開かなくなる場合は、金庫に物を詰め込み過ぎていることが原因かもしれません。
内側の圧力で金庫の扉が押されることで、デッドボルト(カンヌキ)が枠穴に強く干渉し、シリンダーが回らなくなってしまうなどの動作不良が発生します。
年数が経過したテンキー式金庫は扉が傾いていることがあるので、このような場合は扉の下の隙間にマイナスドライバーを入れ、扉を持ち上げたままの状態で開けてみましょう。
暗証番号の誤入力
暗証番号を間違えていないかもう一度確認してみてください。
金庫を複数人で共有している場合は、誰かが暗証番号を変更して引継ぎをしていない可能性もあります。
また、防犯対策上の仕様として、暗証番号を何度も誤入力してしまうと数分から数時間ほど操作ができなくなる金庫もあります。
暗証番号がリセットされている
テンキー式金庫の中には、電池切れの状態が長い間続くと番号がリセットされてしまうものもあります。
その場合は、金庫の初期設定時の暗証番号に戻ってしまうので、電池交換をした後に初期設定番号を入力する必要があります。
テンキー式金庫が開かない・反応しないときの対処法
ここまで、テンキー式金庫が開かない・反応しないときの原因についてご紹介しました。
ここからは、具体的な対処法についてご紹介していきます。
電池を交換する
テンキー式金庫が反応しない場合、まずは電池を交換してみましょう。
交換の際、電池を抜いたまま放置してしまうと暗証番号が消えてしまい、金庫が完全に開かなくなることがあるので、説明書をよく読んで迅速に交換する必要があります。
電池交換を行っても問題が解決しない場合は、別の原因が考えられます。
正しい開け方で開ける
製品によっては、ランプが点灯している間にツマミを回すなど、暗証番号を入力する以外の操作が必要になる場合もあります。
暗証番号を素早く入力する
テンキー式金庫によっては、制限時間内に暗証番号の入力を行わないとエラーになってしまうものもあります。
ご高齢の方など、暗証番号を素早く打ち込むことが難しい場合は家族の誰かに手伝ってもらいましょう。
鍵屋へ依頼した場合は、テンキー式金庫はソレノイド部分への通電などで開けられる場合を除いて、ほとんどが破壊開錠での対応になります。
その際、ソレイド部分の破壊を試みるため、テンキーそのものを破壊する形になります。
鍵屋では鍵開けだけでなく、不要になった金庫の引き取りや新しい金庫の販売も行っています。
※不要になった金庫の引き取りには一部対応できない地域があるため、お電話の際にご確認頂く必要があります。
暗証番号を紛失したときのお問い合わせ先
暗証番号を忘れてしまった場合は、各メーカーへのお問い合わせが必要となります。
また、メーカーによっては暗証番号の紛失時の対応が異なるため、事前に公式ホームページや電話で調べることをおすすめします。
ここでは、主な金庫メーカーのお問い合わせ先をご紹介しますのでご参考にしてください。
ITOKI(イトーキ)
イトーキのテンキー式金庫は、金庫の暗証番号がわからなくなってしまうと、メーカー側では暗証番号を確認することができません。
そのため、技術スタッフが訪問し、有料で強制的に開錠する形になります。
株式会社イトーキお客様相談センター
電話番号:0120-164177
受付時間:9:00~17:45
定休日:土日祝・夏季休業日・年末年始
KOKUYO(コクヨ)
コクヨの場合、防犯上の観点からお客様相談室での受付はしていません。
暗証番号を紛失してしまった場合は、購入した販売店を通じて申し出る必要があります。
コクヨのテンキー式金庫は、「第1暗証番号」と「第2暗証番号」と2種類の暗証番号を登録することができる製品もあります。
設定したもうひとつの番号を試すほか、初期の暗証番号がわからない場合は、取扱い説明書に記載されている番号を入力することで開けられる可能性があるので試してみてください。
コクヨお客様相談室
電話番号:0120-201-594
受付時間:9:00~16:00
定休日:土日祝・夏季休暇・年末年始
Diamond Safe(ダイヤモンドセーフ)
ダイヤセーフのテンキー式金庫は、暗証番号を忘れてしまった際、一部の金庫にはテンキー錠以外にもシリンダー錠がついており、「非常開錠キー(マスタキー)」を利用して開けることができます。
ダイヤセーフ株式会社お問い合わせフォーム
diplomat(ディプロマット)
ディプロマットでは、テンキー式金庫の暗証番号を忘れてしまった際、有料でマスターコードの照会を行うことができます。
尚、セキュリティ上、封筒での照会となります。
書類が到着すると代金引換にて発送されますが、送付した書類の不備や不足は発送できないことがあるので注意しましょう。
暗証番号を照会する手順は以下の通りです。
1.金庫のレシートなどの購入したことが分かるもの、免許証や保険証をコピー、あるいはPDFでスキャンします。※法人や企業の場合、社員証などの所属していることが証明できる物も一緒に添付する必要があります。
2.指定されたフォーマットに、モデル番号、シリアル番号(金庫の右側面の上部に記載されています)、送り先の情報、追加したい鍵に刻印されている鍵番号を全て記載して下さい。
3.これらの情報をディプロマットジャパンにメール、またはFAXで送ります。
ディプロマット・ジャパン(株)
電話番号:03-6424-8588
FAX:03-6424-8382
メールアドレス:info@diplomat-jpn.com
EIKO(エーコー)
エーコーのテンキー式金庫は、お問い合わせフォームから有料でスペアキーの作成や暗証番号の照会を行ってくれます。
注文に関するお問い合わせをする際は注文番号を必ず記入する必要があります。
日本アイ・エス・ケイ
テンキー式金庫の種類によっては非常解錠機能がついているものもありますので、確認しましょう。
テンキー式金庫の鍵紛失や暗証番号を忘れてしまった場合は、メーカーへ問い合わせてください。
電話番号:03-3833-0851(金庫・保管庫に関するお問い合わせ)
Master Lock(マスターロック)・sentry(セントリー)
テンキー式金庫の暗証番号が不明の場合、暗証番号の照会が必要になります。
テンキー式金庫の暗証番号や、鍵に刻印されている鍵番号を忘れた場合、セントリーカスタマーサービスセンターに問い合わせることで、調査をしてもらうことができます。
暗証番号や鍵番号の照会料金は1件につき¥1,200(税別)で、免許証や保険証が必要になります。
鍵を購入する際は鍵のご注文フォームから代金引換で購入することができます。
セントリーカスタマーサービスセンター
電話番号:03-5447-5311
受付時間:9:00〜17:30
定休日:なし
鍵屋に依頼した場合の費用相場
テンキー式金庫の鍵トラブルの際に、鍵屋に依頼した場合の費用相場は以下の通りになります。
金庫開錠 | ¥8,800~(税込) |
金庫の鍵修理 | ¥8,800~(税込) |
金庫の鍵交換 | ¥11,000~(税込)+部品代 |
金庫の鍵作成 | ¥16,500~(税込) |
金庫の廃棄・引取・買替 | 現場にてお見積り |
また、開錠後のテンキー式金庫の処分を鍵屋に依頼する場合の処分費用相場は、50㎏までの場合¥13,000前後、それ以上の重さは¥22,000~となっています。
なお、費用や金庫の処分を行っているかは鍵屋によって異なります。
費用をなるべく安く抑えるには、依頼前にいくつかの業者から相見積もりをとって比較することがポイントです。
鍵屋にテンキー式金庫の鍵開けを依頼するメリット
テンキー式金庫が開かない場合、自力で開錠することは困難なことです。
金庫を壊して開けようとしても、結局壊れてしまって扉が開かない、という結果になります。
金庫を破壊して開ける前に、まずは鍵屋に依頼するのが賢明です。
ここからは、鍵屋にテンキー式金庫の鍵開けを依頼する主なメリットをご紹介します。
急を要する依頼にも対応できる
鍵屋によっては、早朝や深夜帯の時間でも対応可能な業者もあるため、急な依頼でもすぐに駆けつけてくれます。
また、プロのスタッフであれば、手間をかけずに手早く開錠することができるため、急いでいるときや緊急時は鍵屋へ依頼するのがおすすめです。
不要になった金庫の引き取りや新しい金庫の販売も行っていることもある
家庭用金庫でも耐火金庫や防盗金庫であれば、素材に防火剤として気泡コンクリートが使用されているため、廃棄する際は産業廃棄物として処理することになります。
鍵屋によっては、不要になった金庫の引き取りや、新しい金庫の販売も行っています。
そのため、鍵屋に依頼すれば金庫の鍵開けから破壊開錠後の処理、新しい金庫の導入などの作業を一任することが可能で、鍵屋に依頼するだけで全て完結することができます。
テンキー式金庫の鍵開けはキーレスキューサービスへ!
金庫がどうしても開かない場合、自分の力だけで解決することは難しいです。
金庫を処分するにも、中に物が入っている場合は、金庫内を空にしないと廃棄物として引き取ってもらうことができません。
また、耐火性金庫などは「処分困難なもの」として自治体で処分することができません。
そのため、自ら回収業者を探すか購入した店舗に引き取ってもらえるか確認して持っていく必要があります。
鍵屋であれば、開錠して不要になった金庫をそのまま引き取ることも可能です。
自力での対処が困難だと感じた場合は、迷わず鍵屋へご依頼ください。
鍵屋のキーレスキューサービスは見積り料金が無料で、見積り以降の作業料金は発生いたしません。
まずはお気軽にご相談ください。