ドアノブの種類と名称を画像で解説!形・錠前の違いと品番の調べ方も鍵屋が紹介
この記事でわかること
- ドアノブは形(4種類)と錠前の2つで分類できる
- 自宅のドアノブがどの種類にあたるか
- 玄関・トイレ・室内で使われる種類の違い
- 品番・型番の調べ方(刻印の位置と、消えているときの採寸)
- 違う種類に交換できるかどうかの判断基準

記事監修者
名前:金城 甫(きんじょう はじめ)役職:マネージャー
これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。
「うちのドアノブは、どの種類だろう」
交換や修理を考えて調べ始めると、握り玉、レバーハンドル、円筒錠、インテグラル錠と、似たような名前が次々に出てきます。しかもこれらは並んだ関係ではありません。前の2つは外から見える形の名前で、後の2つは中に入っている錠前の名前です。同じドアノブを、別の側から呼んでいます。
この記事では、鍵屋が現場でドアノブを特定するときと同じ順番で整理します。まず形で4種類に分け、次に錠前で分け、そのうえで玄関・トイレ・室内でどれが使われているかを見ていきます。
自分の家のドアノブが分かったら、品番の調べ方も載せました。刻印がどこにあるか、消えていたらどこを測ればいいか。交換用を買うときにも、業者に頼むときにも必要になります。
ドアノブの種類は「形」と「錠前」の2つで決まる
ドアノブの種類がややこしく感じるのは、名前の付け方が2通りあるからです。
ひとつは、手で触る部分の形による呼び方です。丸いものを握り玉、棒状のものをレバーハンドルと呼びます。これは外から見れば分かります。
もうひとつは、ドアの中に埋まっている錠前による呼び方です。円筒錠、インテグラル錠、箱錠といった名前がこれにあたります。ドアを開けた状態で側面を見るか、ドアノブを外さないと分かりません。
つまり「握り玉の円筒錠」「レバーハンドルのインテグラル錠」というように、ひとつのドアノブは形と錠前の2つの名前を同時に持ちます。交換用の部品を選ぶときに必要なのは、形ではなく錠前のほうです。形が同じでも錠前が違えば、そのままでは付きません。
まずは形で見当をつけて、次に錠前を確かめる。この順番で進めます。
形で分けるドアノブ4種類
手で触る部分の形は、大きく4種類に分かれます。玄関でも室内でも、住宅で使われているものはこのどれかに当てはまります。
握り玉(丸いノブ)
丸い球状のノブで、握って回すと開きます。ドアノブと聞いて思い浮かべる形はこれでしょう。
握って回す動作が必要なので、手が濡れていたり荷物を持っていたりすると開けにくくなります。バリアフリーの観点からレバーハンドルへ替える住宅もあり、近年の新築では採用が減っています。
室内の握り玉と組み合わせて使われるのは、円筒錠かチューブラ錠です。どちらなのかは、ドア側面のプレートの形で見分けます。

レバーハンドル
棒状のハンドルを下げると開く形です。現在の新築住宅では、室内ドアの主流になっています。
握力が弱くても肘や手の甲で操作できるため、高齢者や小さな子どものいる住宅で選ばれます。一方で、その開けやすさが理由で、ペットが自分で開けてしまうという相談を受けることもあります。

握り玉からレバーハンドルへの交換は、条件が合えばできます。手順と注意点は握り玉からレバーハンドルへの交換にまとめています。
プッシュプルハンドル
縦長のハンドルを押す、または引くだけで開く形です。玄関ドアで使われています。
ノブを回す動作が不要なので、荷物を持ったままでも開けられます。ドア内部の箱錠と連動する構造で、鍵穴(シリンダー)はハンドル付近の化粧プレートに組み込まれています。

構造が独立しているため、他の形からの交換にはドアの加工が必要になることがあります。詳しくはプッシュプル錠の交換費用と注意点をご覧ください。
サムラッチハンドル
親指でレバーを押し下げながら、ハンドルを引いて開ける形です。装飾錠とも呼ばれ、戸建ての玄関で見かけます。

装飾性が高く、真鍮やアンティーク調の仕上げのものがあります。部品点数が多く構造が複雑なため、経年で動きが渋くなることがあります。台座の寸法やビスの位置が製品ごとの設計になっているため、同じメーカーの同じシリーズか後継品での交換が前提になることが多い種類です。見た目が似ていても互換がない場合があります。扱いはサムラッチ錠の交換方法で解説しています。
錠前で分けるドアノブの種類
次に、ドアの中に入っている錠前の種類を見ていきます。交換部品を選ぶときに必要になるのは、こちらの分類です。
円筒錠とインテグラル錠の違い
どちらも握り玉やレバーハンドルと組み合わせて使われますが、使われる場所が違います。円筒錠は室内ドアで、インテグラル錠は玄関・勝手口・浴室といった出入口で採用されます。
見分けるときに確実性が高いのは、ノブの根元にある取り外し用の小さな穴です。円筒錠にはこの穴があり、インテグラル錠にはありません。このサイトの別記事で「円筒錠(穴があるタイプ)」「インテグラル錠(穴がないタイプ)」と呼び分けているのは、この穴のことです。

ドアを開けて側面のプレート(フロント)を見る方法もあります。円筒錠はラッチ(斜めに出ている三角の部品)だけ、インテグラル錠はラッチに加えてデッドボルト(四角い閂)を持つ、という違いです。ただしフロントの形状は製品によって差があるため、こちらは補助的な手がかりとして使ってください。

外から見た形が同じでも、この2つは互換性がありません。インテグラル錠の詳細はインテグラル錠の交換手順にあります。
チューブラ錠・空錠
チューブラ錠は、ラッチの機構を筒状のケースに収めた錠前です。構造の呼び名なので、施錠機能のないもの(空錠)と、室内側のつまみで施錠できるもの(間仕切錠)の両方があります。室内ドアで使われます。
円筒錠との違いは、ノブと錠前が一体かどうかです。円筒錠はノブの中にシリンダーが入る一体構造ですが、チューブラ錠はラッチのケースだけが独立していて、ノブやレバーは別部品として取り付けます。

空錠は、施錠する仕組みを持たない錠前です。押せば開き、閉めればラッチで留まるだけの構造で、リビングや廊下のドアに使われます。
箱錠(ケースロック・面付箱錠)
錠前が箱状のケースに収まっている構造で、玄関ドアで使われます。
ケースロックはドアの中に埋め込むタイプ、面付箱錠はドアの室内側の面に取り付けるタイプです。いずれもラッチとデッドボルトを持ち、円筒錠やチューブラ錠より堅牢な作りになっています。

玄関の防犯性を考えるとき、この箱錠とシリンダー(鍵穴部分)の組み合わせが判断の中心になります。
間仕切錠・表示錠・戸襖錠
用途が限られた錠前です。
間仕切錠は、室内側からつまみで施錠でき、外側からは鍵を使わずコインなどで解錠できる構造です。トイレや脱衣所で使われます。表示錠は、間仕切錠に「使用中」「空き」の表示窓が付いたものです。

戸襖錠は、和室と洋室の境にある戸襖(片面が襖、片面が扉になっているドア)専用の錠前です。和室のある住宅で使われています。
部屋別に見るドアノブの種類
同じ住宅の中でも、場所によって使われる種類は決まってきます。自宅のドアがどれか見当をつけるときの手がかりになります。
玄関・勝手口
玄関は箱錠が中心です。プッシュプルハンドルやサムラッチハンドルと組み合わせ、シリンダーを備えます。
勝手口は玄関より簡素な作りで、レバーハンドルと箱錠の組み合わせが使われます。勝手口の交換については勝手口のドアノブ交換にまとめました。
トイレ・浴室
トイレは表示錠か間仕切錠です。外側から硬貨やドライバーで開けられる構造になっているのは、中で人が倒れたときに開けるためです。
浴室は水がかかる場所なので、錆びにくい素材や樹脂製の部品が使われます。トイレのドアノブ交換とお風呂のドアノブの交換で、それぞれ解説しています。
リビング・居室
リビングや居室のドアは、施錠機能のない空錠かチューブラ錠が中心です。ドアノブの形は、築年数が古いほど握り玉、新しいほどレバーハンドルという傾向があります。
子ども部屋や書斎など、施錠したい部屋には鍵付きの円筒錠や、間仕切機能のあるチューブラ錠が使われることもあります。
ドアノブの品番・型番を調べる方法
種類が分かっても、交換用の部品を買うには品番が要ります。ここからは、実際に品番を特定する手順です。
刻印はどこにあるか
最初に見るのは、ドアを開けた状態の側面のプレート(フロント)です。ここにメーカー名と品番が刻印されていることがあり、ドアを開けるだけで確認できます。

プレートに何もないときは、次の2か所を見ます。ひとつはドアノブの台座を外した裏側、もうひとつはラッチ本体の側面です。台座は、化粧カバーを回すか、小さなネジを外すと取れます。
刻印は小さく、塗装で埋まっていることもあります。スマートフォンで撮影して拡大すると読めることがあります。
刻印が消えている・古くて読めないとき
築年数の古い住宅では、刻印が摩耗していたり、塗装で埋まっていたりして読めないことがあります。
その場合は、メーカーのロゴマークの形から絞り込みます。国内では美和ロック、GOAL、川口技研、ユーシンショウワなどが代表的で、それぞれロゴの形が異なります。ロゴだけが残っていれば、メーカーの製品ページで形状を照合できます。
台座を留めているネジの本数や位置も手がかりになります。同じメーカーでもシリーズによって配置が違うためです。ただしこれは絞り込みの材料であって、これだけで品番が確定するものではありません。
各部の名称と採寸で特定する
刻印が読めないときは、寸法から適合する部品を探します。測るのは5か所で、そのうえで扉の勝手を確かめます。
バックセットは、ドアの端からドアノブの中心までの距離です。ビスピッチは、ネジの間隔を指します。台座を留めているネジと、側面のプレートを留めているネジの2種類があるので、両方を測ります。ドア厚はドアそのものの厚み、フロント寸法は側面のプレートの縦横の大きさです。



もうひとつ、寸法ではありませんが扉の勝手(左右どちら開きか)を確認してください。同じ寸法でも、左右の指定がある製品では反対の勝手を買うと取り付けられません。ドアを手前に引いて、丁番が右側にあれば右勝手、左側にあれば左勝手です。
照合するときは、メーカー名と型番を入れて公式サイトの適合表や取扱説明書のPDFを探します。廃盤品なら、現行の後継品ページかサポート資料の対応表を見てください。
これらを測ってメーカーの適合表と照合すると、候補が絞れます。バックセットやドア厚は、メーカーやシリーズによって規格が異なります。よく見かける数値を「標準」として当てにすると、買い間違いにつながります。測った値は、必ずメーカー公式の適合表で確認してください。
作業の前に2つだけ。ドアは開けた状態で固定してください。閉めた状態で部品を外すと、ラッチが引っ込んだまま閉じ込められることがあります。外したネジと部品は、外した順に並べて置いてください。戻すときの手がかりになります。
メーカーが分からない・廃盤になっているとき
メーカーが特定できても、その品番が既に廃盤になっていることがあります。
その場合は、メーカーの部品図やサポート資料で後継品を探します。旧品番と後継品の対応表を公開しているメーカーもあります。ここで注意したいのは、メーカーのサイトには基本的に現行製品しか載っていないことです。廃盤品は掲載が終わっていることがあります。
寸法が合う他社製品で代替できる場合もありますが、見た目が同じでも内部の構造が違うことがあります。判断がつかないときは、ドア側面のプレートと台座、ドアを開けた状態の全体が分かる写真を撮って、鍵屋にご相談ください。写真があれば、その場で候補を絞り込めます。
使う人と目的から種類を選ぶ
交換する種類を選ぶときは、誰が使うのかと、何を優先するのかで決めます。費用を左右するのは種類そのものよりも、部材の価格・ドアの加工が必要かどうか・追加の部品が要るかどうかの3点です。同じレバーハンドルでも、そのまま付くのか加工が要るのかで変わります。目安はドアノブ交換の費用相場とホームセンターで買ったドアノブを自分で交換する方法をご覧ください。
防犯性を重視するとき
玄関の防犯を考えるなら、見るべきはドアノブの形ではなく、箱錠とシリンダーの組み合わせです。ハンドルの形を変えても防犯性は変わりません。
錠前を1つ増やす二重ロックという方法もあります。玄関の鍵を二重ロックにするメリットで解説しています。
高齢者・子ども・ペットがいるとき
握力が弱い方や車椅子を使う方には、レバーハンドルかプッシュプルハンドルが向きます。握って回す動作が不要になるためです。
ただしレバーハンドルは、ペットが前足で下げて開けてしまうことがあります。開けられて困る部屋がある場合は、その部屋だけ握り玉のままにする、あるいは施錠できる錠前にするという選び方もあります。
デザインを重視するとき
仕上げの色や質感で印象は変わります。サムラッチハンドルのような装飾性の高い形もあります。
見た目で選ぶときに気をつけたいのは、デザインが気に入っても寸法が合わなければ付かないという点です。先に前章の5か所を測ってから、その寸法に合う製品の中で選ぶ順番にすると、買い直しを避けられます。
違う種類のドアノブに交換できるのか
ここまでで自宅のドアノブの種類が分かったところで、違う種類に替えられるのかを見ていきます。組み合わせによって「そのまま替えられる」「加工が要る」「替えられない」の3通りに分かれます。
そのまま交換できる組み合わせ
錠前の種類が同じで、寸法が合っていれば、形が違っても交換できます。
代表的なのが、握り玉からレバーハンドルへの交換です。どちらも円筒錠やインテグラル錠と組み合わせて使われるため、錠前の種類とバックセット・ビスピッチ・ドア厚が合っていれば、ドアを加工せずに替えられます。
自分で作業できるかというと、この組み合わせであればドライバーで進められます。手順はドアノブの外し方にまとめています。
ドアの加工が必要になる組み合わせ
錠前の種類が変わると、ドアに空いている穴の形や数が変わります。
たとえば円筒錠から箱錠へ、チューブラ錠からプッシュプル錠へ替える場合がこれにあたります。既存の穴では収まらず、対応は次の3通りになります。
ひとつはドアを削って穴を広げる方法です。木製ドアなら可能な場合がありますが、金属製や中空のドアでは強度の問題が出ます。ふたつめは、大きめの座金や化粧プレートで古い穴を隠す方法です。みっつめは、そのドアでは交換できないと判断し、ドアごと交換するか元の種類で選び直す方法です。
どれになるかはドアの材質と厚み次第なので、加工が絡む場合は現物を見て判断します。
賃貸で勝手に交換してよいのか
技術的に交換できる場合でも、賃貸では別の問題があります。
賃貸住宅のドアノブは貸主の所有物にあたるため、入居者の判断だけで交換すると原状回復を求められることがあります。 故障して開かないといった不具合であれば、貸主側の負担で修理・交換される場合もあります。
まず管理会社か貸主に連絡し、費用の負担がどちらになるかを確認してください。詳しくは賃貸でドアノブを交換してもいいのかにまとめています。
まとめ
ドアノブの種類は、手で触る部分の形と、ドアの中に入っている錠前の2つで決まります。形は握り玉・レバーハンドル・プッシュプルハンドル・サムラッチハンドルの4種類、錠前は円筒錠・インテグラル錠・チューブラ錠・箱錠などに分かれます。交換部品を選ぶときに必要なのは、形ではなく錠前のほうです。
自宅のドアノブを特定するときは、ドアを開けて側面のプレートを見るところから始めてください。そこにメーカー名と品番が刻印されていることがあります。読めないときは、ロゴの形で絞り込み、バックセット・ビスピッチ(台座とフロントの2種類)・ドア厚・フロント寸法の5か所を測り、扉の勝手を確かめてメーカーの適合表と照合します。
違う種類に替えられるかどうかは、錠前の種類と寸法が合うかで決まります。同じ錠前どうしなら形が違っても替えられますが、錠前が変わるとドアの加工が必要になることがあります。賃貸の場合は、作業の前に管理会社か貸主への確認が必要です。
刻印が読めない、寸法を測っても候補が絞れない、加工が要るのか判断がつかないという場合は、ドア側面のプレートと台座、ドア全体が分かる写真を撮ってご相談ください。写真があれば、その場で候補を絞り込めます。










