マンションの鍵交換は必要?費用相場・交換の流れ・注意点を解説!

この記事でわかること
- 鍵交換が必要なタイミング
- 分譲・賃貸それぞれの手続きルール
- マンションの鍵交換費用の相場
- DIYと業者依頼のメリット・デメリット比較

記事監修者
名前:金城 甫(きんじょう はじめ)役職:マネージャー
これまで4,000件以上の鍵トラブルを解決してきたベテラン鍵職人。“お客様に寄り添った接客”をモットーに、日々現場に駆けつけている。
マンションにお住まいの方で、鍵交換のタイミングや手順、費用負担について不安を感じることもあるでしょう。
本記事では、引越しや鍵の紛失、経年劣化など交換が必要となる理由から、分譲・賃貸それぞれの手続きルール、費用相場、DIYと業者依頼の比較、信頼できる業者の選び方、防犯性を高める最新鍵種まで解説します。
マンションにお住まいの方で鍵交換を検討されている方は是非とも参考にしてみてください。
目次
鍵交換が必要な理由とタイミング
マンションの鍵交換は、防犯性やトラブル回避の観点から適切なタイミングで行うことが重要です。
引越しや紛失、経年劣化など、交換を検討すべき代表的なケースを押えておきましょう。
引越し・入居時

新居に引っ越す際は前居住者が所有していた鍵によるリスクを考慮し、鍵交換を検討すると安心です。
前の住人が複製キーを持っている可能性や、鍵の型が古く防犯性が低い場合は、入居前に新しい鍵に交換するのがおすすめです。
賃貸物件では契約前に貸主への負担交渉を行い、費用を免れた例も報告されています。鍵交換によって防犯性能を高め、安全に新生活を始めることができます。
下記記事では引っ越し先の鍵交換について解説しています。併せてご覧ください。
鍵の紛失や盗難時

鍵を紛失したり盗難に遭ったら速やかに鍵交換を行い、安全を確保しましょう。
盗難時はまず警察へ被害届を提出し、管理者(貸主・管理会社)への連絡も忘れずに行います。 交換費用は火災保険の盗難補償でカバーされる場合があるので、保険証券を確認し保険会社に相談しましょう。
必要に応じて複数のシリンダーを同時に交換し、スペアキーを作り直すと安心です。
古い錠前や経年劣化している場合

鍵には耐用年数があり、長年の使用で内部部品が摩耗すると故障や抜き差し不良を起こしやすくなります。
日本ロック工業会でも、耐用年数を超えると性能が低下するとして早期交換を推奨しています。特に築年数の古いマンションではピンシリンダー錠など旧式の錠が多く、防犯性能が低下しています。
これらはピッキング対策が不十分なことが多いので、防犯性の高いディンプルキーへの交換を検討しましょう。
鍵が完全に壊れてからでは緊急事態になりかねないため、故障前の早期交換が大切です。
分譲マンションでの鍵交換の手続きと注意点
分譲マンションでは専有部分の鍵交換に管理組合や管理会社への事前確認が必要です。
規約や連動システムの有無を把握し、補助錠の追加や保証適用なども含めた手順を押さえておくことで、スムーズに交換を進められます。
管理規約・管理会社への確認
分譲マンションでは専有部分の鍵交換に管理組合の許可が必要な場合があります。
管理規約で鍵交換の条件が定められているケースもあり、無断で交換するとトラブルになる可能性があります。
そのため、事前に管理組合や管理会社に連絡し、規則や指定業者の有無を確認しておきましょう。工事時には近隣への配慮も必要です。
共用部分(エントランス等)と連動している鍵
エントランスや駐車場の鍵と自宅の鍵が連動している場合、共用部の鍵システムは管理組合が管理しており、専用シリンダーが必要です。
特にオートロック併用の逆マスターキーは特注品で費用が割高になります。逆に、連動が不要な物件では既存シリンダーをそのまま交換することも可能です。
ただし、管理者との事前調整を忘れないようにしましょう。
合鍵やマスターキーの管理
分譲マンションでは、専有部分の合鍵やマスターキーは各住戸の所有者が管理します。管理会社や管理組合が合鍵を預かることは一般にありませんし、専有部のマスターキーも通常は存在しません。
そのため、合鍵を増やす際は自分で業者に依頼し、紛失した場合は自分で再作成する必要があります。
共用部用のマスターキーが使われる物件もありますが、こちらはあくまで管理会社所有の鍵なので取り扱いに注意してください。
賃貸マンションで鍵交換する際のルール
賃貸物件では貸主許可の有無や契約条件によって、鍵交換の可否や費用負担が変わります。
許可交渉やガイドラインを活用した費用免除策、許可が得られない場合の代替策など、契約トラブルを回避するポイントを解説します。
賃貸契約と鍵交換許可の条件
賃貸物件の鍵は貸主(大家)所有物のため、交換するには貸主や管理会社の許可が必須です。
契約段階で借主負担の特約があれば借主が費用を負担しますが、国交省ガイドラインでは入居者交代時の鍵交換は貸主負担が望ましいとされています。
鍵が故障・経年劣化が原因であれば、原状回復義務とならず貸主負担となるのが一般的です。
契約前であれば「貸主負担が妥当ではないか」と交渉して負担免除になった例もあるので、交渉機会は逃さないようにしましょう。
交換後は元の鍵に戻せない旨など条件も確認しておくと安心です。
費用負担は入居者?大家?管理会社?

賃貸物件では鍵交換費用は入居者が負担するケースが一般的ですが、物件によっては前入居者退去時に貸主が費用を支払っている場合もあります。
契約書の特約欄で借主負担とされていても、契約前の交渉で費用負担を免除できた例があります。
もし交渉が難航する場合は「原状回復ガイドライン」の条文(入居者交代時の鍵交換は貸主負担が妥当)を示して話し合うのも一つの手です。
許可が得られないときの対策
貸主の許可が下りない場合は、ドアに穴を開けない後付け式のスマートロックを検討できます。
両面テープ固定型のスマートロックなら賃貸でも自己設置が可能です。ただし退去時にテープ跡や傷を残さないよう注意が必要です。
また、ドアチェーンや補助錠、センサーライトなど装備を強化し、窓や裏口の補助錠も併用するなど物理的な防犯対策で補う方法も効果的です。
入居前に鍵交換したい場合の交渉ポイント
契約締結前なら貸主負担を交渉できるチャンスがあります。交渉がまとまれば、交換後の合鍵の管理方法や交換後の原状回復義務の有無なども併せて取り決めておくと安心です。
例えば、前入居者退去時に鍵交換した記録があれば領収書を見せてもらい、それを根拠に交渉する方法もあります。
交渉に成功すれば費用負担を避けられるだけでなく、鍵管理の責任も明確になります。
鍵交換の費用相場と見積もりのポイント
鍵交換にかかる費用は部品代・技術料・出張料などで構成され、鍵の種類や連動システムによって大きく変動します。
適正価格を把握するための相場の目安や、複数業者への相見積もりで失敗しないコツを詳しくご紹介します。
基本費用の内訳
鍵交換費用は主に「部品代(シリンダーや錠前本体)」「技術料(作業工賃)」「出張料(交通費)」で構成されます。
業者によっては出張料を無料としている場合もあるので、見積り時に内訳を確認し、追加費用の有無をチェックしましょう。
一般的なシリンダー1か所交換の費用相場は約16,500~38,500円です。複数箇所の交換や高機能シリンダー(ディンプルキーなど)では部品代が増える点にも注意が必要です。
鍵の種類に交換費用相場を解説
鍵交換の費用は交換する鍵の種類によって変動します。ここでは鍵交換の費用相場を種類別に解説します。
鍵の種類 | 交換費用の目安 |
一般的なシリンダー (非オートロック) | 約16,500~38,500円 |
ディンプルキー (高セキュリティ鍵) | 約10,000~30,000円 |
オートロック連動シリンダー | 約25,000~55,000円 |
電子錠・スマートロック | 約30,000~100,000円 |
鍵交換費用についてさらに詳しく知りたい方は以下記事をご覧ください。
オートロック付き・特殊鍵の高額ケース
オートロック連動シリンダーは専用部品のため一般より費用が高く、相場は約25,000~55,000円です。
ディンプルキーや電子錠・スマートロックなど高セキュリティ鍵への交換も部品代が高額で、一般的に30,000~100,000円程度になります。
また、逆マスターキーの追加作業には約700~1,500円の加算がかかるケースがあります。
特殊鍵は受注生産の納期も長くなるため、複数業者に見積もりを取り比較検討するとよいでしょう。
保険やサポートサービスで費用を抑える方法
鍵交換費用を抑えるには、保険やサポートを活用しましょう。
住宅用の火災保険に盗難・破損補償があれば、鍵交換費用や窓ガラス修理費用などを補償してもらえる場合があります。
保険によっては、防犯性能を高めるための補助錠設置サービスが付帯することもあります。
さらに、防犯協会の助成金制度やクレジットカード付帯の鍵サポートが利用できる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
複数業者の相見積もりで比較

料金トラブルを避けるには、複数の業者から見積もりを取り比較することが重要です。
業者によって出張料や技術料、鍵の単価に差があるため、料金総額だけでなく内訳も照らし合わせて適正価格を判断します。
また、急な夜間対応など割増料金の有無や保証の範囲も確認してください。見積は無料で行う業者が多いので、内容を詳しく問い合わせ、信頼できる業者を選びましょう。
鍵交換の手順:依頼から作業完了まで

業者問い合わせから見積取得、当日の作業、完了後の動作確認まで、一連の流れを把握しておくと安心です。
必要情報の事前準備や作業当日の注意点、作業後に行うべき確認事項を順を追って解説します。
業者への依頼~見積取得の流れ
まずは複数の鍵交換業者を探し、電話やウェブで問い合わせて見積りを依頼します。
口コミや評判を参考にしつつ、実績ある業者に連絡しましょう。問い合わせ時はドアの形状や鍵穴の形式、鍵の刻印などを伝えると概算見積りが出やすくなります。
オンライン見積りを利用すれば鍵の写真を送るだけで価格提示してもらえることもあります。複数社から見積もりを取ったら、料金だけでなく保証や対応時間を比較検討し、納得のいく業者を選びましょう。
交換作業の所要時間と当日の流れ
交換作業はシリンダー1か所あたり約15分~1時間程度で完了します。予約した日時に業者が訪問し、本人確認(身分証提示)のあと古いシリンダーを外して新しいものに取り替えます。
交換後は新しい鍵で開閉テストを行い、不具合がないか入念に確認します。作業終了後には領収書や保証書を受け取り、鍵の扱い方など注意事項を業者から説明してもらいましょう。
夜間・休日対応は割増料金になる場合があるので、訪問時間は事前に確認しておくと安心です。
必要情報の準備(鍵種別・写真等)
事前に準備しておくと見積・作業がスムーズになります。
ドアが開き戸か引き戸か、施錠方式(間柱錠・面付錠など)、錠前の種類(シリンダーの枚数やメーカー・型番)やドアの厚み・バックセット寸法などを確認しておきましょう。
可能なら現状の鍵や錠前の写真を業者に見せ、正確な部品選定に役立ててもらいます。
また、作業当日は運転免許証や健康保険証など本人確認書類の提示が必要です。これらの情報を共有しておくと、当日の作業が滞りなく進みます。
作業後の確認ポイント(動作確認・余鍵の処理)
交換作業後は新しい鍵で開閉を何度かテストし、異常がないかを確認します。
不要になった古い鍵や余った合鍵は廃棄し、安全対策に努めましょう。鍵屋によっては交換作業時に古い鍵を責任を持って破棄・処分してくれる場合があります。
最後に作業報告書や保証書を受け取り、何か不具合があれば速やかに業者に連絡してください。
鍵交換は自分でするのか業者に依頼するのかどちらが良い?
自分で鍵を交換するDIYはコスト削減につながりますが、賃貸・連動鍵では制約やリスクが伴います。
一方、プロの鍵屋依頼は確実・安全ですが費用がかかります。それぞれの長所短所を比較して選択の判断材料にしてください。
自分で鍵交換は可能?(賃貸・共有鍵の制限)

分譲マンションの専有部なら自分で鍵交換することも可能です。しかし、賃貸住宅では無断交換は認められず、必ず貸主・管理会社の許可が必要です。
また、オートロック連動鍵や逆マスターシリンダーは専門知識が必要で、個人で交換すると緊急時に入れなくなるなどトラブルの原因になります。
これらの場合は管理会社指定の方法に従いましょう。
自分で鍵を交換する手順については以下記事をご覧ください。
自分で鍵交換をするメリット・デメリット
DIYのメリットは費用を節約できる点です。部品を自分で調達すれば技術料分をカットできますし、作業日時を自由に選べます。
しかし、専用工具や知識不足で取り付けミスをすると、施錠不良やドア損傷のリスクが高まります。 またDIYには業者保証が適用されないため、ミスが起きれば全て自己責任です。
途中でプロに頼り直すと結局高くつく場合もあるので、総合的に判断しましょう。
鍵屋に依頼するメリット・デメリット
専門の鍵屋に依頼すれば技術力の高いプロが迅速に交換してくれ、安全性も高くなります。
業者は防犯性の高い鍵の提案や適切な部品選定ができ、不具合時の保証も付くことが多いです。緊急時の鍵開けや電子錠の取り付けなど、専門的な対応も任せられます。
結果的に、安心・安全な交換を優先するなら業者依頼がおすすめです。
一方、自分で鍵交換をするよりも高額になってしまうのがデメリットです。費用や防犯性などを考慮して判断しましょう。
信頼できる鍵交換業者の選び方
業者の選定では、団体加盟や実績、口コミ、見積の透明性、対応時間や保証内容などを総合的にチェックすることが大切です。
後悔しない業者選びのポイントを具体的にお伝えします。
資格・団体加盟や実績の確認
鍵交換業者には国家資格はありませんが、業界団体の加盟状況や民間資格の有無を確認できます。
日本鍵師協会や錠前技師協会、日本ロックセキュリティ組合などに所属している業者は技術基準を満たしている可能性が高いです。
公式サイトやパンフレットにこれらの団体マークや認定資格があるか確認しましょう。また、施工件数やメーカー認定店の実績が公開されていれば、参考になります。
実績豊富な業者ほど豊富なノウハウを持っているといえます。
口コミ・評判をチェック

利用者の口コミや評判は業者選びで非常に参考になります。
インターネットのレビューやSNS、知人の体験談を調べ、作業品質や価格トラブルの有無を確認しましょう。
高評価が多く、具体的なコメントがある業者は信頼度が高い傾向にあります。見積もり前にメールや電話で質問し、対応の丁寧さをチェックするのもおすすめです。
下記記事でも鍵業者の選び方について解説しています。併せてご覧ください。
見積もり・料金プランの透明性確認
見積もり内容が明確かどうかも重要です。
複数業者に詳細な見積もりを依頼し、料金・部品内訳・追加費用の有無(深夜割増やキャンセル料など)を比較しましょう。
料金だけで判断せず、作業範囲や保証内容も総合的に判断します。クレジットカード支払いや電子マネー対応の業者は支払い記録が残るため安心度が高いです。
サービス内容(対応時間・保証など)
業者の対応時間や保証サービスも比較ポイントです。
24時間365日対応の業者なら緊急時も安心です。作業後の保証期間(一般に半年~1年程度)や保証範囲を確認し、再訪問や修理が無料かもチェックしましょう。
作業予定時間の連絡、領収書発行など細かいサービスも確認し、安心して依頼できる業者を選びます。
防犯性を高める鍵の種類と対策
鍵そのものの性能向上だけでなく、補助錠や電子錠、日常の防犯習慣を組み合わせることで効果を最大化できます。
最新の高セキュリティ鍵やスマートロック導入のメリット、手軽にできる防犯対策をご紹介します。
ディンプルキー・ハイセキュリティキーの特徴

ディンプルキーは凸凹の少ない鍵穴形状で、ピッキングや複製に強い設計です。
旧式の鍵からディンプルキーに交換すると、不正複製のリスクを大幅に減らせます。
さらに、高セキュリティキーには複雑なキーコードや特殊な刃形が組み合わされており、合鍵製作が難しくなっています。
カードキーや暗証番号式の電子錠も、物理鍵以上の防犯性能や遠隔操作機能を備えており、利便性と防犯性を両立できます。
下記記事ではディンプルキーについてさらに詳しく解説しています。併せてご覧ください。
補助錠(ドアチェーン・シリンダー錠など)の追加

ドアチェーンやシリンダー錠などの補助錠を併用すれば、鍵1本だけに頼らない二重・三重ロックが可能です。
ドアチェーンだけに頼るのは危険なので、複数の補助錠を組み合わせて防犯性を高め、夜間は必ず施錠する習慣をつけましょう。
二重ロックについては下記記事もご覧ください。
電子錠・スマートロック導入のメリット

電子錠やスマートロックは鍵の持ち運び不要で、スマホや暗証番号で開錠できる便利さがあります。
遠隔操作や入退出履歴の記録機能もあり、防犯意識の向上に役立ちます。
また、スマートロックでは合鍵を配る必要がなくなるため、鍵紛失リスクが減ります。
家族や来客には一時的なパスコードを発行できるモデルもあり、複数人で使う場合に便利です。操作に不慣れな人向けに従来の鍵併用型を選ぶこともできます。
電子錠については下記記事でも紹介しています。併せてご覧ください。
日常生活でできる防犯習慣
最後に日常の習慣でも防犯性を高めましょう。
外出時には必ず扉・窓の鍵をかけ、補助錠も使うよう習慣化します。
留守を悟られないように郵便物や新聞が溜まらないようにし、長期不在時は配達停止の手続きや近隣に投函物を見てもらうよう頼みましょう。
室内にいるよう見せかけるために照明タイマーを使ったり、カメラやセンサーライトを活用するのも有効です。また、近隣との連携(防犯意識の共有・相互通報)も重要な防犯対策の一つです。
マンションの鍵交換はキーレスキューサービスにお任せ!

マンションの鍵交換は、防犯性能の向上やトラブル回避の観点から適切なタイミングで行うことが重要です。
分譲・賃貸で手続きや費用負担のルールが異なるため、契約内容や管理規約を必ず確認しましょう。費用相場を把握し、複数業者の見積もりを比較することで価格トラブルを防げます。
DIYにはコストメリットがあるものの、連動鍵や特殊鍵は業者依頼が安心です。 もし、自分で鍵交換をするのが不安などでしたらキーレスキューサービスにお任せください。
キーレスキューサービスでしたら、鍵交換も見積り・出張費無料で現場に駆け付けます。相場を知りたい、とりあえず見てほしいなどでも承りますので、鍵トラブルでお困りでしたらお気軽にお問い合わせください。
