ドアノブの修理方法が知りたい!自分で直せる?鍵屋に頼むべき不具合は?
日常生活の中で、ドアノブが思わぬトラブルを引き起こすことは少なくありません。
ドアノブの不具合に直面した際、「これって自分で修理できるのかな?」と疑問に思うこともあるでしょう。
実際、一部のトラブルや不具合は自分で修理することができます。しかし時には専門家の助けが必要な場合もあります。
このコラムでは、自分で修理ができるドアノブの不具合と、プロに依頼すべき不具合について解説します。
身近なドアノブの問題を解決するためのヒントや手順を探していきましょう。
目次
ドアノブって自分で修理できるの?
ドアノブの不具合は、手軽な方法で解決できることがあります。例えばドアノブが緩んでいるとか、スムーズな動作をしない、といった場合は自分で対処できる可能性があります。
このセクションでは、簡単な手順や注意すべきポイントを紹介しながら、自力で修理できるドアノブの不具合とその解決法について詳しく見ていきます。
ハンドルがグラグラ
通常、ハンドルがグラグラする原因は、取り付け部分のネジが緩んでいるか、ネジ穴が緩んでいるかです。
レバーハンドルの根元や丸座にビスがある場合は、これらのビスが緩んでいないか確認して下さい。ドライバーはプラスとマイナスどちらも両方用意しておくと良いでしょう。
ハンドル部分や丸座にビスが見えない場合は、丸座カバーで隠れている場合があります。
丸座の側面にドライバーを入れる小さな切り欠きがありますので、ドライバーを入れ、テコの原理でカバーを外して下さい。
特にハンドル部分の根元にあるビスが緩んでいると、丸座とのあいだに隙間ができ、グラグラとハンドル部分が動く原因になります。
丸座にビスが見えているチューブラ錠やレバーハンドル錠は上記のような対応で良いのですが、円筒錠やインテグラル錠は丸座のビスを締めるために玉座部分を取り外さなくてはなりません。
この2つのドアノブ一体型錠前は外し方がわかりにくいので、まず玉座の根元に穴があるかないかで判断して下さい。
穴があるタイプは円筒錠です。穴にキリのような先端の尖ったものを入れて留め具を押し込むと、玉座部分が外れます。
穴がなく、ドア側面にデッドボルトがあるタイプはインテグラル錠です。インテグラル錠はドアノブそのものがネジのようになっているので、握り玉を反時計回りに回転させて取り外します。
詳しいドアノブの外し方については、下記コラムも参考にして下さい。
ラッチがゆるんでいる
ドアの側面から飛び出している三角形に近い形の閂(カンヌキ)を「ラッチボルト」や「ラッチ」(或いは「仮締め」)と呼びます。
ラッチボルトの従来の役目は、ドアが風などの力で開いてしまわないようにすることですが、室内用のドアノブにはラッチしかないものも多く(円筒錠、チューブラ錠)、施錠する際はこのラッチボルトが引っ込まないように固定します。
そのようなことから、室内ドアでは特に使用頻度の高い部品であるため、破損や故障も多い部品です。
ただ、単にグラグラしている、外れそうという場合は、ラッチケースを固定しているフロントプレートのビスを締め直すだけでだいぶ改善されるはずです。
ビス穴が使い物にならない
多くの場合、ビスの締め直しだけで不安定さなどの不具合が改善されると考えられますが、長年使っているドアノブですとビスを締め直してもすぐ緩んでしまう、ビスを締め直そうにもビス穴がグスグスで穴が広がってしまったまま、ビス穴の中でビスが折れてしまった、というような事態も起こり得ます。
では、ビス穴に関するトラブルはどう対処したら良いのでしょうか?
特にビス留めされているのが木製のドアの場合、ネジ穴が広がってしまったり、脆くなってしまったりすることは往々にしてあります。
そういったときは木工ボンドと割り箸あるいは爪楊枝を何本か用意して下さい。
これは、素材が木材だからできる対処法ですが、割り箸や爪楊枝を木工ボンドとともに入れて一旦、ビス穴を塞いでしまうのです。
そうすることで、新品同様というわけではありませんが、新品に似たような状態に戻すことができますので、木工ボンドがしっかりと硬化した頃にまたビス留めをすると良いでしょう。
木材修復用のパテがある方は、そちらを使用して穴を埋めても構いません。
木工ボンドや割り箸、木材用の補修材などは、ラッチケースを入れている切欠き穴が広がってしまったり、破損した場合にも修復に利用できます。何かと便利ですので、ドアノブ修理の際は用意しておくと良いでしょう。
ドアがちゃんと閉まらない
ドアが閉まりにくい場合は複数の原因が考えられます。
まず、ドアの建付けです。
丁番など、ヒンジ部分のネジが緩んでいると、扉がまっすぐではなく斜めに吊り下がっているような形になります。そうすると、ラッチや受座(ストライク)が正確な位置で噛み合わず、干渉して閉めにくくなります。
建付けに特に問題がないのにドアが閉めにくい、ちゃんと閉まらない、といった問題がある場合は、閂の受座がズレていないか確認して下さい。
ストライクはドアノブ設置時にちゃんと計測をして取り付けますが、ネジで取り付けているため長年使用しているとネジが緩んだり、ネジ穴が経年劣化で広がったりして位置がズレていくことがあります。
ストライクの位置がずれると、ラッチボルトやデッドボルトといった閂にストライクが干渉するようになります。なんだかドアが閉めにくい、あるいはドアがちゃんと閉まらないな、という症状が出てくるようになります。
放置しておくとドアが全く閉まらなくなるうえ、閂を通じて衝撃を受け続けた錠前のほうにもダメージが及ぶ可能性があります。
結局、受座も錠前もすべて交換することになるかもしれませんので、気がついたらできるだけ早く対処しましょう。
もうひとつの原因は、ドアのラッチやデッドボルトがちゃんと引っ込んでいない、というものです。こちらは次に扱う「空回りする」などの部分にも共通する問題なのですが、ラッチ部分に何らかの故障があったり、ドアノブと錠ケース(ラッチケース)を繋いでいる角芯が折れている場合が多いです。
錠ケース内の問題となると、外からはわかりません。ドアノブを動かしてもラッチやデッドボルトが連動して動かないようであれば、専門家に見て貰った方が良いでしょう。
ドアノブをメンテナンスしよう
室内用のドアノブには施錠機能がないものや、施錠はできても鍵穴がまったくないものもあり、あまり「鍵」だとか「錠前」という認識はないかもしれません。
しかし、機構的にはシリンダーがないだけで、他の部分は鍵穴つきのものとあまり変わらなかったりしますので、鍵のメンテナンスと同じように、
- 埃やゴミの掃除
- 汚れが溜まってきたらパーツクリーナーなどで洗浄
- 穴のあるものには鍵穴用潤滑剤を注入
といった定期的なメンテナンスを施しましょう。
※鍵穴にクレ5-56のような金属用の潤滑剤やシリコンスプレーは使わないようにして下さい。埃やごみが油分に付着して固まり、鍵が回らなくなります。
特に室内用のドアノブは、玄関用などよりも使用頻度が高いぶん、ビスの緩みや丁番のズレなどが起こりやすくなっています。
一方で玄関や勝手口のものは屋外に面していますので、汚れや埃が蓄積しやすく、定期的に掃除をした方が長持ちします。
どちらの場合も、ドアノブに不具合が出てきたらメンテナンスが行き届いていない証拠です。
数分だけでも良いので、点検してみるのはいかがでしょうか。
専門業者に依頼した方が良い不具合
グラグラする、ラッチが外れそう、ドアがちゃんと閉まらない、といった問題は自分で調整できる可能性が高いものの、症状によってはプロに依頼した方が良いものもあります。
そのなかの代表的なものをご紹介しますので、下記のいずれかに該当する場合はあまり無理をせず、鍵屋などにご相談下さい。
ドアノブが空回りする
ドアノブが空回りする場合、内部のバネや錠ケースの部品が破損しているか、ドアノブと錠ケースを繋ぐ角芯と呼ばれる棒状の部品が折れている可能性があります。
このような故障は、一般的に修理が困難です。まず部品が入手できないからです。
ドアノブや錠ケースの内部部品は、交換用の部品が販売されていないことが殆どです。特に古いものやサムラッチ錠などの場合、適切な部品を見つけることが難しく、交換するしかないのです。
また、もし部品交換が可能だとしても、バネや錠ケース内の部品の取り外しや交換には正確な手順と適切な工具が必要ですので、一般の方には難しいというハードルもあります。
修理方法を誤ると、ドアが正しく施錠できなくなったり、開閉が安定しなくなったりすることがありますし、室内用ではあまり防犯面での懸念はないかもしれませんが、玄関ドアが閉まらなくなると日常生活に支障をきたします。
ドアノブの空回りはドアの開け閉めのトラブルですから、早めに専門業者に修理して貰いましょう。
空回りについて詳しく知りたい方はこちらも参考にして下さい。
レバーハンドルが下がったまま
ハンドルを下げたら、下がったまま戻ってこない、といった症状でもレバーハンドル錠のラッチケースや錠ケース内のバネが経年劣化で切れてしまったりしている可能性があります。
ドアノブの「自動的に元の位置に戻る」という機能はバネの反動を利用していますので、バネの力が弱くなっていたり、金属疲労で破損していたりすると、元の位置に戻らなくなるのです。
玄関用のレバーハンドルでこの症状が出たら、すぐに専門業者に相談しましょう。
ラッチのみを備えている室内のレバーハンドル錠であれば、ラッチケースだけを交換することが可能な場合があります。
いずれにせよ、早急にプロによる修理を依頼するのがベストですが、室内用で特に急ぎではない場合は、既存のラッチケースを取り出してホームセンターなどに持参し、適合するラッチケースを購入して自分で取り替えてみるのも良いかもしれません。
プッシュプル錠・サムラッチ錠
プッシュプル錠やサムラッチ錠といった少し特殊なハンドル部分を持つドアノブの修理も、プロに任せた方が良いでしょう。
どちらも室内側にあるビスを取り外せばハンドル部分を取り外せるようになっていることが多いのですが、デザイン性を重視するものも増えており、特にサッシメーカー製のプッシュプル錠はビスがどこにあるのかわからない、といったものもあります。
外し方を知らないと、カバーを外す際に破損してしまう可能性も高く、ハンドル部分を取り外せたとしても、錠ケースなどの修理は難しいでしょう。だいいち、他のドアノブ同様、多くの錠ケース部品には交換用の部品というものがありません。
不具合が起きたら錠ケースごと交換する、というのが殆どなので、できることも少ないのです。
サムラッチ錠はよく親指で押下してラッチを動かすレバーに連動しているバネが破損してしまうことがありますが、こちらの交換も内部構造に詳しくない人には難しいでしょう。
そして最大の懸念は、取り外したものをちゃんと元に戻せるかどうか、です。
逆の手順で元通りにする、とよく言いますが、室内ドアノブのように簡単な構造ではないため、ここで失敗する可能性もあります。
玄関用のドアノブですから、正常に機能してくれないと防犯面で心配事を抱えることになります。
また、どちらも錠前一式の交換になると大変高額になりがちですから、下手な修理をして動かなくなり、一式交換が必要になってしまったら元も子もありません。
数万円で済んだからもしれない修理が、十万円以上の交換費用になる可能性もあります。不安な方はプロに依頼して下さい。
サビついていて外せない
ドアノブが錆びついて外せない、という状態は、浴室でよく起こるトラブルですが、さまざまな原因があります。
まず、浴室のような湿気や水分にさらされやすい場所に設置されている円筒錠などのドアノブは内部の部品がサビてしまい、赤錆がビスなどに固着して外せなくなります。
また、屋外で長いあいだ使用されていなかったり、手入れがされていなかったりすると、錆と汚れでドアノブが動かなくなってしまったりします。
屋外では浜手など塩害の影響が出る地域もあります。錆に強いとされるステンレスでも塩分には勝てません。
ドアノブの玉座部分やハンドル部分は、亜鉛ダイカストなど塩分の影響を受けにくい素材が使用されていますが、やはり鉄製のものが多い錠ケース内やシリンダー内部は影響を受ける可能性が高いです。
円筒錠のようなドアノブが外せなくなった場合、殆どのケースで玉座部分を切断し、錆取りなどを併用しながら丸座のビスを外します。
ビス穴が使い物にならない
上記では、木製ドアの場合の対処方法を説明しましたが、玄関ドアのように木材以外の素材が使用されているドアのビス穴が広がってしまったりした場合は、専門家による修理が必要です。
基本的に広がったネジ穴に合う大きめのビスを使用することになりますが、ネジを切り直す必要があるので、専用工具(タップ)が必要になります。
建具屋などに修復を依頼した方が良いでしょう。
新しいドアノブに交換したいとき
修理や調整では不具合が直らず、ドアノブを交換する際は適切なドアノブを選ぶことが重要です。
ここではドアノブの選び方と、購入時に注意すべき大事なポイントについて見ていきましょう。
新しいドアノブの選び方と重要なポイント
まず、最も簡単な交換商品の選び方は、既存のものと全く同じものを購入することです。
メーカーや型番などは、フロントプレートや各種サイズを計測して調べればすぐにわかることが多いのですが、何十年も前のドアノブや錠前に関しては限られた情報しかないこともあります。
既存のドアノブが古く、メーカーでは廃番になっていたりして同じ商品が見つからない場合は、必要な箇所を計測して同等品を購入する必要があります。
ドアノブに限らずどんな錠前でもそうですが、ドアの中に掘り込まれている錠ケースのサイズが違うものを追加加工なしに交換することはできません。
例えば、チューブラ錠がついているところにインテグラル錠を取り付けたい、となると、錠ケースのサイズが違うため、追加でインテグラル錠の錠ケースが収まるサイズの切り欠きを作らなくてはなりません。
このように、元あるドアノブと同じ商品を使用しないのであれば、今ドアについているドアノブがどういったものなのか、といった知識が必要になります。
特に室内用のドアノブは、円筒錠・チューブラ錠・インテグラル錠と握り玉のドアノブの外見がそっくりなので、よく部品購入で事故が起きます。
円筒錠なのにチューブラ錠を購入してしまった、となると、もう一度買い替えるほかありません。
ですので、ドアノブ交換に必要な計測箇所をしっかりと計測するだけでなく、今あるドアノブの種類などをしっかりと把握しておきましょう。
商品によっては、計測だけでなく右勝手か左勝手か、といったことも重要です。
修理・交換を依頼できる業者
ドアノブの修理や交換は、専門的な知識や適切な技術が必要な作業です。
しかしいざ修理を依頼するとなると、どういった業者を選べば良いのでしょうか?
ドアノブ修理を依頼できる業者は大別して4種類ほどあります。いずれの業者も何らかの形でドアや錠前といったものに関わりのある業者ですが、ドアノブの修理となるとやはりお勧めは鍵屋と建具屋です。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
鍵の専門業者
鍵の専門業者である鍵屋は、鍵だけを扱っているように思われるかもしれませんが、ドアノブの修理や交換も依頼することができます。
また鍵屋はドアノブだけでなく、窓の鍵やドアクローザーといったドアまわりの製品にも詳しく、幅広いサービスを提供しています。
特に出張専門の鍵屋は緊急時にも対応してくれるほか、車載在庫にさまざまな錠前やドアノブ類を準備していますから、部品さえあればその日のうちに交換してくれたり、錠ケースなどをバラして修理でドアノブを元通りにしてくれたりします。
他の業者とは違い、鍵のプロフェッショナルなので錠前の不具合の原因やその修理方法を詳しく知っており、分解洗浄や部品修理などの技術も高い技師が多くいます。
一方で、高額請求など詐欺まがいの商法でぼったくろうとする業者もいますので、信頼できる鍵屋を探すのに少し骨が折れます。
工務店(ハウスメーカー)・リフォーム業者
工務店やリフォーム業者は、ドアノブの修理や交換を含む建築関連のサービスを提供しています。特に玄関のドアノブなどはサッシメーカー製のものが多いので、メーカーお勧めの工務店や、リフォーム業者に問い合わせてみるのも良いでしょう。
鍵屋にはない強みとしては、ドア自体の修理や交換が可能という点が挙げられます。
ドアの買い替えといったリフォームも考えている場合は、工務店やリフォーム業者に依頼してみると良いでしょう。
ホームセンター
ホームセンターはドアノブや錠前の販売だけでなく、修理作業に必要なツールや資材も提供していますが、一部のホームセンターでは修理や取り付けサービスを利用できることがあります。
ただ、全てのホームセンターでそのようなサービスが行われているわけではありませんので、事前に確認することが重要です。
建具屋など住設専門業者
建具屋や住設専門業者は、家の中の家具や設備のプロフェッショナルです。
ちょっとした建付けやドアノブの不具合を修理してもらうなら、うってつけでしょう。
ドアやドアノブといった建具に関する幅広い知識と経験を持ち、オーダーメイドも可能なことが多いので、特殊なタイプのドアノブについても相談できるかもしれません。
自信がないときはプロに依頼しよう
ドアノブの修理や交換は、場合によっては専門的な知識や道具が必要となります。DIYが難しい場合や、適切な道具や部品が手に入りにくい場合は、鍵屋や建具屋に依頼することを検討しましょう。
なかでも鍵屋は、ドアノブの取り付けや交換はもちろん、錠前や鍵のトラブルを解決する専門家です。不具合の原因がドアノブだけでなく、錠前そのものに関するものであることも多いので、それを考慮するとやはり鍵のプロに任せるのが安心です。
信頼できる鍵屋を選び、プロの手によって確実に修理や交換を行うことが、安全で効率的な方法でもあります。
自分で対処できない場合や、プロのアドバイスが必要な場合には、鍵屋に依頼して専門家のサポートを受けることをお勧めします。
ドアノブの修理・交換ならキーレスキューサービスにおまかせ!
ドアノブの修理が必要になったら、キーレスキューサービスにご相談下さい。できれば交換せずに済ませたい、という場合もできるだけご希望に沿ったご提案が可能です。
無論、不具合が良くならないなら交換したい、という場合も豊富な車載在庫から交換商品をご提案しますのでご安心下さい。
キーレスキューサービスはお見積り無料です。修理か交換かわからない、といったときも現場にかけつけ、不具合の原因などを調査し、お客様のご要望をヒアリングしたうえでお見積書を作成いたします。
お客様の承認なしで作業をすることはありませんので、鍵屋に依頼するのが初めてという方も、不安なくご相談いただけます!