鍵穴の中で鍵が折れた時の正しい対処法!原因や普段からできる対策を紹介

自宅の玄関ドア、あるいは車の鍵を開けようとしたときに、「鍵(子鍵)がシリンダー内(鍵穴)で折れてしまった!」という場合にはどのような対処法があるのでしょうか?
子鍵が折れてしまった場合の対処方法はいくつかあり、場合によっては自分で折れた子鍵を取り出すことも可能です。
しかし、無理に取り出そうとしたり接着剤を使用するといった誤ったことをすると、かえって状況を悪化させてしまいます。
そこでこの記事では、子鍵がシリンダー内で折れてしまった際の対処法や解決方法をメインにご紹介します。
また、子鍵が折れた時にやってはいけないことや車・バイク・自転車の子鍵が折れた場合や賃貸住宅の場合などケースごとに対処方法を解説しますので、ぜひご確認ください。
目次
鍵が折れた時にやってはいけない3つのこと

はじめに、子鍵が折れた時の対処として、絶対にやってはいけない行為についてご紹介します。
子鍵が折れた場合、なんとかしてシリンダー内に残った鍵足(ブレード)部分を取り出そうと考える方が多いでしょう。
しかし、以下の行為をしてしまうと、シリンダー内に傷がついたり、子鍵が深く入ってしまうといった重大なトラブルや、シリンダーが破損する原因にもなります。
爪楊枝や針金などで強引に取り出す

もっともやってしまいがちなことは、爪楊枝や針金などの先端が細いものを使って無理やり内部の異物をかき出す行為です。
これは、シリンダー内の部品を傷つけることになるほか、入れたものが内部で折れてしまって取り出せなくなる可能性が高いです。
また、ピンセットで奥に詰まっているものを取り出そうとした場合はシリンダー内の部品が破損する原因になってしまいます。
爪楊枝などがシリンダー内で折れてしまうと、「折れた子鍵を取り出すことがさらに困難になった」という状況を招いてしまいます。
鍵穴は非常にデリケートです。
ちょっとした異物が入ったというだけでも傷がつき、不具合や破損の原因になるので注意しましょう。
アロンアルファなどの接着剤やグルーガンを使用する

折れた子鍵に瞬間接着剤を塗ったり、グルーガンを使ってグルースティックとシリンダー内の折れた子鍵をくっつけて引き抜くといった行為もおすすめできません。
グルーガンで使用するスティック状の樹脂は、熱で溶けて冷めると固まる性質を利用して接着させるものです。
わずか数秒で固まり始めるため、速乾性の接着剤と同じような働きがあります。
そもそも鍵穴内に接着剤を使用することは、絶対にやってはいけません。
接着剤がシリンダー内部に流れ込み、バネなどに付着するとシリンダーの交換が必要になり、余計な費用が発生してしまうでしょう。
リスクが高い上に失敗時の代償が大きいので、接着剤は使用せず、鍵屋に依頼しましょう。
もし錠ケースまで影響を受けてしまったら、錠前一式の交換になるかもしれません。
鍵穴専用以外の潤滑剤を使用する

潤滑剤で滑りを良くして折れた子鍵を取り出す方法もありますが、食用油やクレ556などを潤滑剤として使用してはいけません。
鍵穴専用の潤滑剤はホームセンターなどで販売されていますが、自宅で用意されていないことも多く、つい鍵穴専用以外の潤滑剤を使用してしまった方もいるでしょう。
鍵穴専用の潤滑剤はパウダー状のスプレーなのに対し、サラダ油などの食用油やクレ556といった潤滑剤は、金属表面に薄い油膜を構成して潤滑性、防錆性を付与するものです。
鍵穴専用以外の潤滑剤を使用すると、一時的に滑りが良くなりますが、埃や細かい砂などが油膜に付着することで、シリンダー内部で固まって子鍵の抜き差しがしにくくなったり、子鍵が回らないといったトラブルを引き起こします。
鍵穴専用以外の潤滑剤を使用してしまった場合は、シリンダーを取り出して内部洗浄を行う必要があるほか、被害の程度によっては錠前一式を交換する必要があります。
また、鍵の耐用年数は10年~15年と言われており、シリンダーや錠ケースを洗浄しても元通りに動かないときはシリンダーの内部部品や錠ケース内の摩耗や破損が原因である可能性がありますので、交換を考えましょう。
自分で対処するか業者に依頼するかの判断基準

子鍵がシリンダー内で折れてしまった場合は、自力でなんとか対応できないかと考える方も多いでしょう。
自力で対処できるか、鍵屋などの業者に依頼すべきかのポイントは、折れた子鍵がシリンダー内部から多少でも外に出ているかどうかで判断してください。
この場合、まだ自力で対処できる可能性がありますが、折れた子鍵がシリンダーの奥にある場合は自力での対処は困難です。
シリンダーの分解は知識や技術が必要なほか、ドアの開閉ができる状態でないと行うことができません。
そのため、素直に業者に依頼するべきでしょう。
シリンダー内で鍵が折れた場合の自分でできる対処法

上記で、自分で対処するか業者に依頼するかの判断基準をご紹介しました。
ここからは、シリンダー内で折れた子鍵が少しでも出ている場合に、自力で行える対処法についてご紹介します。
ピンセットやペンチでつまみだす

もっともシンプルなのが、折れた子鍵の鍵穴から出ている部分をピンセットやペンチで摘んで抜くという方法です。
素手で抜こうとすると、誤って折れた子鍵を押し込んでしまう可能性があるので、工具を使用してゆっくりと行いましょう。
もし、失敗して折れた子鍵がシリンダー内の奥に押し込まれてしまったら、自力での対処は困難になりますので、その場合は鍵屋に依頼しましょう。
ピンセットなどの先が細くて硬いものを無理やり入れてかき出そうとする行為は、はじめにご紹介した通り、やってはいけない行為です。
鍵穴専用の潤滑剤を注す

折れた子鍵を工具などで引き抜く際は、スムーズに抜けないこともあります。
そんなときは、鍵穴専用の潤滑剤をスプレーして鍵穴の滑りを良くしてみてください。
潤滑剤を注す際は鍵穴専用以外の潤滑剤を使用することは絶対に避けましょう。
鍵穴専用の潤滑剤は、ホームセンターやインターネットショップで¥1,000前後で購入することができます。
もし、鍵穴専用潤滑剤を使っても解決しない場合は、他の方法を選択するか業者への依頼も視野に入れるべきでしょう。
ピンバイスを使用する

ピンバイスという通常のドリルよりも小さい穴を開ける際に使う工具を使い、子鍵を引き出す方法もありますが、ペンチやピンセットと比べてやや難しいということを覚えておいてください。
ピンバイスは100円ショップなどでも入手できます。
ただし、ピンバイスは主に比較的柔らかい素材(例:プラスチック)に使用することが多いため、金属などの硬い素材に穴を開けることは容易ではないことを理解しておいてください。
ピンバイスを使用する際は、正面からではなく斜めから力をかけるようにすると、子鍵が前に刺さりこんでしまうことを防げます。
穴が空いたら、それを引き抜くだけです。
この方法は実際に行ってみるとわかりますが、ある程度の技術が必要です。
ピンバイスでの穴開けに自信がない場合は、無理をせず業者に依頼することをおすすめします。
シリンダーを分解して鍵を取り出す

もし、「ドアが開いた状態」或いは「別の入り口から室内に入ることができる」という状況であれば、シリンダーを分解する手もあります。
難易度は高く自信がない方にはおすすめできませんが、こういった作業に慣れている方であれば、自力でできる可能性があります。
シリンダーの抜き取りに必要な道具と手順については以下の通りです。
・プラスドライバー
・マイナスドライバー
・ペンチ
・針金
【鍵の抜き取り手順】 1.プラスドライバーを使って、ドアの側面にある金属板(フロントプレート)を外します。 2.マイナスドライバーを使って、シリンダーを固定している上下のピンを外します。これらのピンを外すとシリンダーが固定されなくなるため、シリンダーを落とさないように気をつけてください。 3.シリンダーを外します。 4.シリンダーの裏にあるスナップリングをマイナスドライバーやペンチを使って取り外すことで、小さな穴が現れます。そこに針金を挿し込んで、折れた子鍵を押し出します。 5.逆の手順でシリンダーを元に戻します。 |
車・バイク・自転車の鍵が鍵穴の中で折れた場合の対処法
ここまでは、自宅の玄関ドアの子鍵が折れてしまった場合についての対処法をご紹介しました。
以下からは、車・バイク・自転車の子鍵が折れた際の対処法についてご紹介します。
車・バイクの鍵が折れた時

車・バイクのシリンダー交換は鍵屋では対応できません。
また、車・バイクのイグニッション部分に潤滑剤を使用すると、電気系統に潤滑剤が流れていき別の不具合を発生させる可能性があるため避けた方がいいでしょう。
そのため、車やバイクのイグニッション部分に差した子鍵が折れてしまい、シリンダー内から取り出せない場合は、基本的にはディーラーや修理工場に依頼してください。
自転車の鍵が折れた時

自転車の鍵は安価であるため、古い鍵を切断して新規のものに交換するのが良いでしょう。
鍵抜きに時間と費用をかけるよりもこちらの方がスピーディーかつお得です。
自転車本体に取り付けられた鍵が折れて抜けなくなってしまった場合は、鍵屋に依頼したり、自転車屋に持ち込んで修理を依頼するといった対処法があります。
費用も比較的安価で、作業代¥1000程度+部品代で行ってくれます。
ワイヤータイプの鍵の場合、細いワイヤーであればワイヤーカッターという工具で切断して買い直す方が、業者へ依頼するよりもはるかに安く済みます。
また、近くにホームセンターがなく、ワイヤーを切断するための道具もない場合は最寄りの交番で防犯登録と身分証明が確認でき次第、ワイヤーカッターなどの工具で切断してもらえることがあります。
U字ロックなどの頑丈なつくりで切断が難しそうであれば、鍵屋は鍵開けで対応しますのでお気軽にご連絡下さい。
鍵穴の中で鍵が折れる7つの原因

子鍵は、通常の正しい方法で使用していれば簡単に折れてしまうことはありません。
ここからは、鍵穴の中で子鍵が折れる原因について解説します。
再発を防止するためにも、子鍵が折れてしまう理由を知っておきましょう。
1.子鍵が金属疲労を起こしている

子鍵が折れる原因のひとつとして、金属疲労が挙げられます。
金属疲労とは、金属材料に力が繰り返し加わることで無数の微細な亀裂が生じることです。
特に長年の使用では、同じ方向への負荷が繰り返し加わります。
シリンダー内はステンレス鋼などの丈夫な素材が使われている一方で、子鍵は洋白という銅合金(銅に亜鉛とニッケルを加えたもの)が使用されていますので、固い素材に対する負荷がかかり続けています。
このため、長期間にわたり使用を続けると負荷による小さな傷が増え、子鍵の素材がもろくなり、力任せに回していなくても折れてしまうことがあるのです。
2.シリンダーの経年劣化

子鍵ではなくシリンダー側の問題で鍵が折れてしまうこともあります。
通常、シリンダーの寿命は10〜15年程度と言われており、子鍵はもちろん、シリンダー自体も長期間使用していると経年劣化が生じてきます。
特に、シリンダーは非常に複雑で精密なつくりなので、経年劣化でシリンダー内部が摩耗すると、「鍵が回りにくい」「鍵の抜き差しがしにくい」といった不具合が発生します。
そのようなときに子鍵に無理な負荷が加わると、折れてしまうのです。
3.シリンダー内に異物が付着している
玄関鍵は常に道路に面した外部に晒されているため、風で巻き上げられた砂や埃などの異物がシリンダー内に付着しやすいです。
シリンダー内にゴミなどの異物が付着していることに気がつかないまま使用していると、「鍵が固い」、あるいは「鍵が引っかかる」という違和感を感じるようになります。
これを放置して強引に回して開けていると、鍵が折れてしまうこともあります。
4.シリンダー内の潤滑剤が減っている
シリンダー内部にはあらかじめ潤滑剤が塗ってありますが、この潤滑剤が乾いて枯渇してくると、鍵が回しづらくなってきます。
鍵穴専用の潤滑剤をシリンダー内に差すことで解決しますが、回しづらいまま強引に解施錠を繰り返していれば、子鍵に負荷がかかり折れてしまう可能性もあります。
5.そもそも壊れやすい鍵やシリンダーを使用している

子鍵が折れるというトラブルは特定のシリンダーで発生することが多いです。
有名なのが美和ロックのURシリンダーで、子鍵の左右対称であるため必ずどこかで子鍵の幅が細い部分ができでしまい、子鍵を回す際に負荷がかかることで折れてしまいやすい傾向にあります。
このシリンダーは現在、廃番になっています。
使用して10年以上が経過しているシリンダーである場合は、耐用年数を超過しています。
その際は、子鍵が折れにくいディンプルキーやウェーブキーに交換することをおすすめします。
6.間違った子鍵を突っ込んだ
似たような形の子鍵を複数所持している場合、間違った子鍵をシリンダーに差してしまうこともあるかと思います。
場合にもよりますがシリンダー内の部品に間違った子鍵が引っかかってしまって抜けなくなり、強い力で引き抜こうとすると子鍵が折れてしまう可能性があります。
7.無理な力をかけた
シリンダーや錠前の不具合で子鍵が回らないときに、無理な力で回してしまうと子鍵が曲がってしまったり、折れてしまうといったトラブルが起こります。
賃貸住宅の場合は管理会社に連絡が必要

マンションやアパートなどの賃貸物件に住んでいる場合、貸主や管理会社の許可無く勝手に鍵作成や鍵交換をしてはいけません。
勝手に鍵交換をしてしまうと、貸主や管理会社が緊急時に合鍵を使って部屋に入れず適切な対処ができない、といった事態を引き起こす可能性もあります。
また、借主は退去時に物件を借りたときの状態に戻す義務がありますので、大家さんが残しておいていいと認めてくれていない限り、交換した鍵は取り外して元の鍵に戻す必要があります。
一度、賃貸借契約書を確認してみましょう。
また、子鍵をぶつけて折れたというような過失による鍵作成や鍵交換の場合は借主側が負担することになりますが、経年劣化が原因で折れたときは貸主が負担してくれるかもしれません。
鍵屋などの業者を呼ぶ前には、必ず大家か管理会社に連絡する必要があります。
業者に鍵交換を依頼した時の費用相場

ここからは、鍵交換の費用相場をご紹介します。
玄関の鍵が折れてしまってスペアキーが手元に一本もない場合は、鍵作成ではなくシリンダー交換がおすすめです。
シリンダーを交換するとスペアキーが3本ほどついてきますので、鍵作成をするよりもお得です。
また、鍵穴から鍵作成をする際はシリンダーを取り外す必要があるので、子鍵をなくして解錠できない鍵から鍵作成をすることはできません。
特にピッキングに強いハイセキュリティーシリンダーの鍵作成は技術のある鍵屋であってもほぼ不可能と考えた方が良いでしょう。
玄関ドアのシリンダー交換の場合、費用は「作業代¥11,000(税込)+部品代」というのが相場です。
車やバイクなどのように「すぐに鍵を使用する必要がある」という場合は鍵穴を覗いてスペアキーを作成することが可能です。
どうしても今すぐ鍵が必要、という方はぜひキーレスキューサービスへご連絡下さい。
※イモビライザー搭載車の場合はドアを開けるための鍵しか作成できません
鍵に関するトラブルはキーレスキューサービスにおまかせ
子鍵は経年劣化や強い負荷などが原因となりシリンダー内で折れてしまうことがあります。
シリンダー内で折れた子鍵が少しでも出ていれば自力で解決できる可能性もありますが、もし間違った方法で折れた子鍵を引き抜こうとすると、シリンダーごと状況を悪化させてしまうこともあります。
ご紹介した方法を試してもうまくいかない場合や、自力での対処に自信がない方は、鍵屋のキーレスキューサービスにご依頼ください。
弊社は8時から23時まで電話受付をしており、早朝や夜間での急なトラブルにも対応可能です。
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まずはお気軽にキーレスキューサービスまでご相談ください。